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Author:terra
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ロードバイク物欲派。
レイ・カーツワイルの未来予測を支持するシンギュラリティ信者(笑)

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宇宙図

最新の観測結果に基づいた、2007年版の宇宙図が科学技術広報財団を通じて全国の科学館や博物館で配布されているらしい。
現物はポスターサイズだそうだが、PDFデータでA3対応版も配布されているというので見てみた。
「一家に一枚 宇宙図2007」宇宙図のサイト


最新の宇宙の姿というのを知り、驚いた。

宇宙の組成
宇宙の成り立ちをみると、その7割はダークエネルギー。
 …恥ずかしながら初耳だが、宇宙が膨張し続けるエネルギー源と仮定されているらしい。
 で、2番目に多いのは、いわゆる暗黒物質、ダークマター。
 そして、通常の元素というのは、わずか! 4%らしい。
 
見えている宇宙の半径は470億光年
 …そんなに。観測精度の向上ゆえか、以前より数字が大きくなっている気がする。
 直径にすると、1000億光年近いわけですか…
 当然のことながら、見えている範囲は光速の限界内。
 しかし、観測限界の辺縁部が遠ざかる速度は、すでに光速の3倍(!)という。
 光速以上のスピードというのは「あり」なんだろうか。
 なんだかパラドックスめいて聞こえる。
 このあたりも、恥ずかしながらよくわかっていない。

 そして、観測可能な範囲を超えた場所はどうなっているか、
 文字通り観測不能なわけだから、宇宙全体の広さたるや、もう…

・インフレーションの実際
 ビッグバンの前に宇宙が急激に膨張したというインフレーション理論 について、Newton誌の立ち読み程度の知識。これまではあまりに数字の桁が大きく、イメージできていなかった。
 この宇宙図によると、1000兆分の1000兆分の1万分の1秒の間に、ウイルスサイズが銀河団以上の大きさ(銀河系ではなく!)になったというたとえが。あまりに極端すぎる…

そしていつものカーツワイル『ポスト・ヒューマン誕生―コンピュータが人類の知性を超えるとき』だ。本書では特異点以降、人類が宇宙にあまねく広まっていくだろうと論じている。しかも、SF小説でも遠慮して書かないくらいに短期間で。

氏は、人類が22世紀前半までに、計算能力拡張のために太陽をダイソンスフィアで囲んでしまうことを予測している。2080年頃に$1,000で買えるコンピュータの計算能力は、「100億規模の現生人類が1万年かかって行う思考を1マイクロ秒で処理するレベル」としている。それだけ途方もないコンピューティングパワーで思考すれば、光速の限界を出し抜く方法すら見つかるかもしれない、というわけだ。


彼は特異点の一応のゴールを「宇宙の覚醒」としているが、それはイコール、人間の知性で宇宙を覆い尽くすということだ。

ひょっとすると、インフレーション理論顔負けの移動手段が見つかり、グレッグ・イーガンの『ディアスポラ』さながら、私たちはこうした宇宙図に描かれた世界に自分のコピーを派遣しているかもしれない。
ディアスポラ

そして、さらにその先にまで…。


そう聞くと、多くの人が“ドン引き”してしまうことだろう。

私としては、こんな破天荒な話を聞いて、ワクワクする人と友達になりたいと思う。
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ナノフューチャー -21世紀の産業革命-

技術的特異点の関連書籍で、またひとつ大推薦の1冊。
といっても、邦訳版が出たのは脳内評価最高ランクの『ポスト・ヒューマン誕生』とほとんど同じ、今年の春先の刊行。そして読んだのは6月も中旬の頃だから、けっこう遅刻情報ではあるけれど。

ナノフューチャー―21世紀の産業革命

ナノテクノロジーは、~中略~ 人間とチンパンジーの違い、いや、人間とカブトガニの違いすら超えた生物学的な変化を、人間の生体に引き起こす可能性がある。その時代は、ひょっとしたら一○年以内に、おそらくは二五年以内に、そしてほぼ確実に二一世紀中には訪れるだろう。

いきなりこれだ。カーツワイルとほぼ同じタイムスパンで、人間が変わることを示唆している。
もっともカーツワイルが『スピリチュアル・マシーン』や『ポスト・ヒューマン』で述べている「フォグレット」や「ユーティリティフォグ」は本書の著者J・ストーズ・ホールの発案になるものだ。スタート地点が同じなのだから、到達点も近いのは当然だろう。

ホールによれば、
みな政治的変化は過大に予言する一方で、技術的変化を過小に予言してしまう。

との由。ナノテクノロジーの発展には5つのステップがあり、現在は2段階目でしかない。まだまだ実験室レベルの話という。ここから地続きで直線的な技術発展を予測するのは容易だ。

しかしこれが4段階目、ありふれた分子からナノテクシステムが合成できるレベルに達すると、いきなり社会の様相が一変する。安易なSFに描かれる、電子レンジのような家庭用合成機の普及は単に入口程度に過ぎない(これだけでも想像を絶するくらいの社会的変化だけど… ガスや水を供給してやるだけでたいていのものが合成できるのなら、産業構造が激変するにとどまらず、たぶんモラルまで変わってしまう)

物理法則を無視しない範囲なら、ドラえもんの四次元ポケットから出る道具もかなりの部分が実現可能になる。なかでもこれまでイメージしたことがなく新鮮だったのは、この段階初期の人型ロボットだ。厚さ5ミクロン程度のダイアモンドの薄膜でできており、その厚みの中にCPU、折りたたみ可能な構造、モーター、局所的なコントローラー、通信・電力ネットワークなどが収められるという。

普段は人間の仕事をすべて代替わりする有能な執事であり、使用しないときは丸めればボールペン程度の容積(重さは30㌘以下)になるとの予測。吹けば飛んでいくほどの、人型風船といって差し支えない。さらにこいつを着込めば極地や真空中でも快適に過ごせるという、超便利な風船。

ただし、これもあくまで過渡期の存在だ。この段階をさらに一歩進めれば、ユーティリティフォグ(霧状のナノマシン、「フォグレット」の集合体)になると、待機時は文字通り雲散霧消してしまう。

ユーティリティフォグが大気中を覆う時代が来ると、もはや現実とバーチャルは区別がつかなくなってしまう。ホールの描く世界が現実化すると、もはやハリー・ポッターの世界観と区別がつかなくなるに違いない。

不可視のフォグレットが瞬時に凝集・可視化することで、ドラゴンやトロルを実際に出現させられる。大気中に充満したフォグレットに押し動かされるかたちで、ホグワーツ魔法学校の食堂に浮遊するロウソク群や、ウィーズリー家のおんぼろな空飛ぶ自動車、クィディッチ競技でほうきに乗って空を飛び回ることもできるだろう。

そしてこのレベルに到達するまでに、脳のナノマテリアル置換も始まっているという。

ホルモンバランスの作用などの化学的な信号回路や、ニューロンがもつ機能をシミュレートする。そうすることで現在の脳より圧倒的に省スペース、かつ脳はおろか、現在のCPUなど比較にならない高速で動作する新しい脳ができあがる。

このオーバースペックというのもおこがましい爆発的な処理能力も、自分の意思決定や作業処理を支援するAIを脳内に置くことで有効活用できるという。そしてその支援AIの数たるや、アタマの中に高度に専門化されたメンバー20万人を置いたようなものであり、一人一人の人間がひとつの都市のような存在になっているという。

このビジョンに興奮しない人がいるだろうか?

個人的には、ずっと解決できない疑問として「コピーされた意識はもはやオリジナルとは別の意識ではないか? コピーされた意識が無限に生きたとしても、オリジナルは現状通りではないか?」というのがある。それについても、段階的に移行が行われるのであれば以前の自意識と移行後の自意識は連続しているかもしれない、と思えるようになったのは収穫だ。

※この考え方は、生命の動的平衡状態を「波打ち際に作られた砂の城(ただしずっと流されずもちこたえる)」にたとえた詩的な一冊、福岡伸一氏『生物と無生物のあいだ』を同時期に読んだことも効いたと思う。(本書のあとがきなどは純粋に文章としても絶品。ただし、氏が生命の不可侵さをあまりに強調しすぎるのには、違和感を覚える)

生物と無生物のあいだ

また、ビル・ジョイがかつて憂えた「ナノテクの野放図な進歩は地球全体にとっての脅威だ」とする懸念に対しても、明快な対策を打ち出している点はうれしい。暴走するレプリケーターによって、かつてのB級SF映画『人喰いアメーバの恐怖』みたいなものに人類が食い尽くされるわけでは(必ずしも)ないことがわかり、一安心?だ。
マックィーンの絶対の危機 (ピンチ) 人喰いアメーバの恐怖 ENTERTAINMENT COLLECTION SILVER

まだまだ書きたいトピックは山ほどあるものの、そこはぐっと我慢。
あまり他人に本を薦めない私でも、本書はぜひ読んで欲しいと思う。

本書はカーツワイルの「ポスト・ヒューマン」と両面をなし、補完する存在だと思う。カーツワイルの方は「なぜテクノロジーの爆発的進化が我々の直感的感覚よりも早く訪れるのか」に説明の多くを割いているが、こちらは未来社会のビジョンをほぼ共有しつつ、より具体的な描写を行っている。カーツワイル本と併せて、強くお薦めしたい。

担当編集者は知っている。

今頃検索して知ったのだが、カーツワイルの特異点本三部作の第三部?
ポストヒューマン誕生の担当編集者氏が、本書について解説しているページがほぼ日にあり、よくまとまっている。

やはり指数級数的に発展するテクノロジーのことを理解してからでないと、どうしてもカーツワイルの未来予測を信じる気にはなれないだろう。その意味で、まずは上記解説を参照してから本書に入るといいかもしれない。内容中のオイシイ部分もけっこう披露していることだし…



人工赤血球とネンドロイド

ナノロボットの話に関連して、最近ある方から伺った話。

彼の勤務先では人工赤血球を研究しており、2015年頃、実用化する計画だという。もちろん目的は、臨床利用だ。

人工の赤血球は天然モノに比べ酸素運搬効率が桁違いなため、水中で何時間も閉息潜水したり、子どもでもプロのアスリートを凌ぐ運動機能を発揮できるらしい。
不遜だが、医療使用だけではもったいない。

その話が、『ポストヒューマン誕生』で記されていたこととまるきり同じで驚いてしまった。

ここからはカーツワイルの主張だが、
酸素摂取効率がよい人工赤血球が流れる血液があれば、そもそも心臓のような一極集中型の臓器が必要なのかという話になってくる。いつ誤動作や緊急停止するかわからない心臓1つに頼るより、そもそも循環させる必要もないから皮膚呼吸でいいじゃないか。心臓と、ついでに肺も取ってしまえ、と過激な方向に進んでいく。

その予測によれば、人工赤血球が一般普及するのは2020年代前半。
先の知人の話によると医療利用開始が2015年頃の医療利用から考えると、特異点へのスケジュールはオンタイムだ。

しかし実際のところ、臓器撤廃というのは私ですら抵抗を感じる。ナノマシンによる医療が普及すれば、結局代替不可能な臓器はないわけで、そうなると「外観だけ人類を模倣した異星人」と、もはや変わりはないのだろう。

「マグマ大使」の人間モドキなんかも近いかも。

人間もどきつながりでいうと、昔日のタツノコアニメ「ゴワッパー5・ゴーダム」のエピソードで、"ネンドロイド"が主人公の母親にすりかわるシーンがあった。
たしか、その母親がキッチンで主人公たちに語りかけながら、誤って指を包丁で傷つけてしまう。すると皮膚の破れ目から体を構成していた砂状物質が噴き出してたちまち崩壊するという、当時の子どもにはトラウマチックな話だったはずだ(作中のネンドロイドは皮膚が裂けると砂になってしまう)。

臓器を全廃したからだを切り刻んでみると、どこをとっても赤身の肉のでしかないかもしれない。その意味では、ネンドロイドと(あの砂がマイクロマシンと捉えてみる)カーツワイルのいうビジョンは通じるものがある。

話がそれ始めたので元に戻すと、数年後に実用化されるという人工赤血球は非常に楽しみだ。ぜひ、早い段階で一般で使用できることを望みたい。

身体機能が上がれば、私が趣味で乗るロードバイクなどたいへんなことになるだろう。私のような貧脚でも、グラン・ツールに出場している選手を超えるスピードで公道を走れそうだ。サプリメントを摂るように気軽に血液ドーピングした年輩女性たちが、ママチャリでクルマを煽りまくる姿が日常化しているかもしれない。

狭い路地で台車を押している○川急便も、ひょっとすると文字通りの飛脚便を復活させたりして。

どうにもくだらない妄想しか出てこないが、
テクノロジーの進化は恐ろしくも楽しい。

ポスト・ヒューマン誕生―コンピュータが人類の知性を超えるとき『ポスト・ヒューマン誕生―コンピュータが人類の知性を超えるとき』

7/2付記 人工赤血球の原型は、ロバート・フレイタス(Robert A. Freitas Jr.)の提唱した「レスピロサイト(respirocyte)」が原型の由。酸素をヘモグロビンではなくナノスケールの圧力タンクに貯蔵することで、天然赤血球の数千倍の容量を運べるとしている。

鞭毛をもつ医療用マイクロロボットが2009年実用化予定

動脈を泳ぎ進む医療用マイクロロボット(1)
「心臓その他の器官を通り抜けられるこの微小なロボットは、注射器を使って挿入される。リモートコントロールされたロボットは、疾患のある部位まで体内を泳ぎ進み、一連の任務を遂行した後、挿入された場所まで戻り、注射器で再び取り出される」

きちんと用事を果たして注射針のところまで戻ってきてくれる、と。
将来これを使う医療技術者は、「fetch!」とか呟きながら注射しているかもw

2009年実用化の予定とすると、2010年代にはナノサイズのロボットが出始めるんだろう。

タイムスケジュール通りですなあ…
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