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軽すぎ!安すぎ!ブルベ・ロングライド用ライトのおすすめマウント

※この記事は2013年にLEDライトの紹介記事の一部として書いたものですが、長文過ぎたため、独立させました

自転車用ライトのマウント、超おすすめ品



LEDライトなどを自転車に固定する「マウント」。みなさんはどんなものをお使いですか?
さまざまな商品が出ていますが、ハンドル径に合わなかったり、重量がありすぎたり、なかなかこれはというものがありませんでした。

以前、香港の通販サイト「dx.com」でも、一気に7、8個のマウントを買い込み、試したこともあります。

私のマウント選びの基準は、おもに以下の3点です。

1. きちんと固定できること
 →あたりまえですね。でも、この基本すら満たさない製品も多いのです(伝説のダメ製品・ミノウラのスペースグリップなどw)。
また、ハンドル径が合わず、装着自体できないものも多数あります。

2. 簡単に脱着できること
 →優先順位2番。ライトの脱着だけでなくマウントそのものも容易に脱着できるとベターです。というのも、輪行時に袋と干渉することがあるためです。

3. 軽いこと
 →優先順位は3番。なぜかホイールやフレームの軽量化にはコストをいとわないのに、無頓着に重たいマウントを使う人が多くて驚きます。

…それらを満たす文句なしのベストが、なんと! あまたあるなかでも確実に最安価なこの商品でした。

Universal Nylon Mount for Flashlights and Lasers

 2015/6/17現在 US$2.14
sku_12000_2.jpg

一見すると、日本で入手しやすいUNICO(ユニコ)の「バイクガイ」ライトホルダーにそっくりですよね?

でも、まったくの別物です。バイクガイの構造はハンドルとライト、2軸が直交するのに対し、こちらは両軸とも平行。狩猟やサバイバルゲームなどで、銃身にLEDライトを固定するのが本来の用途かも。日本で売っていないのもむべなるかな、といったところでしょうか。

ライトのマウントは「下ハンドルの下」がベスト!


これをドロップハンドルの下辺に固定すると、スペースの有効活用として最適なのです。バーテープ外周にマジックテープを巻いて固定するため、不整地走行でもほどよくクッションが利き、脱落の心配はありません。また、光軸が著しくぶれるといった不具合もありません。

重さは1個あたり、実測わずか18g!! そして単なるゴムブロックであるため、構造上のトラブルなど皆無です。

ところで、私はブルベなどのロングライド系イベントにおいて、オルトリーブ(Oltrieb)のフロントバッグLを愛用しています。

ライトをハンドル上部に固定した場合、バッグのフタ部分でライトの光が遮られてしまいます。また、ロングライドではサイクルコンピュータなど、ハンドル上部に着ける装備がたくさんあります。女性ライダーなど小柄な方だと、ハンドル幅はかなり狭くなります。取り付け用の「空き地」があまりないのですよね。そうした場合にも、ハンドルの下にライトをぶら下げるのは、スペースの有効活用に好都合なのです。

ちなみに「ハンドルの下側にライトをつけると、下ハンが握りにくくなりませんか」と聞かれることがあります。

たしかに、常に下ハン走行!という方なら気になるかもしれません。でも、ロングライドで下ハン走行は少ないうえ、マジックテープによって軸径が太くなり、かえって手のかかりがよくなるので、私は気になりません。

余談1:買ってはいけないフロントバッグとは?


フロントバッグと言えば、モンベルの「サイクルフロントバッグ」が比較的ポピュラーです。しかし、もし検討中のかたがいらっしゃれば、アレは候補から外すことを強くお薦めします。比較的安く軽量ではあります。ところが、防水性、容量、耐久性、取り回しはほんとうにダメ。とくに防水性はないに等しいので、濡れてもいいものしか収納できません。降られる心配のない短距離ライドならよいのですが、短距離ならそもそもフロントバッグは要りませんからね… 

というわけで、オルトリーブです。大容量ながら、ふだんはパコっとフタを開け閉めするだけで気軽に荷物を放り込んでおけます。ありがたみを感じるのは、やはりロングライドにつきものの雨天時です。

たとえば雨の中サイコンを充電しながら走る場合も、ケーブルに繋いだバッテリーを入れておくだけで大丈夫。よほどの豪雨でもない限り、浸水トラブルとも無縁です。

※ただし、サイコン側の接続ポート側が浸水する可能性はあります。それに備えて、サイコンのポートにケーブルを繋いだまま、シリコンコーキング剤で固定する手もあります。

これからオルトリーブのフロントバッグを買われる場合は、スタンダードなタイプをおすすめします。中仕切りとサイドポケットつきの上級モデルは不要です。純正の中仕切りはかさばり容量が減ってしまいます。そしてサイドポケットは、逆にほとんど容量がないためです。

余談:光軸の調整について



フロントバッグ派は、消去法的にハブ軸にライトをつけがちです。しかし、私はハブへの装着もやめました。輪行などでホイールを着脱するたび、光軸の微調整に時間がかかり、イライラするのです。クイックリリースのハンドルまでカーボン製を使っている身としては、ハブ用アタッチメントのわずかな重量増もイヤでした。
そんなわけで、苦労した末に「ハブ軸には何もつけない派」になりました。

※ハンドル下部に取り付ける場合も、光軸には注意が必要です。上向き、つまりハンドル下部が前上がりになっている場合は、対向車/歩行者を幻惑し、危険です。一方、ハンドルが下向きすぎると目の前だけが照らされます。下ハンを水平位置あたりまで「送る」か、ライト軸の尾部を大きな輪ゴムなどで固定し、強制的に下向きにしましょう。8~10m先の地面に光円ができるくらいがベストです。

文章だとわかりづらいので図を描いてみました。↓

ハンドル×ハンドル○


夜間走行が前提の、ロングライド時のご参考になれば幸いです。

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テーマ:自転車
ジャンル:趣味・実用

「18650」を使用したリチウムイオンバッテリー

前回のエントリーでリチウムイオン充電池18650をモバイルブースター代わりに使う話を挙げました。
その時のDeal Extremeで注文していた商品が届いたので、簡単に紹介します。

今回注文したのはこれ。
ESER-010 4400mAh Replaceable Battery Mobile Power

eneloopモバイルブースターのリプレイスを考えていたので、比較してみます。
まずはサイズと重さ。
DSC02757.jpg

左から順に。しばらく前から使っているcheero Power Plus 2 mini 6000mAh。重さは実測160g。
隣が今回届いた中華ケース。同梱の18650込みで128g。右側の黄色い18650を入れると132g。電池を抜くと、39gになります。

隣がおなじみeneloopのモバイルブースター。酷使してきたので相当ヤレてます。最初期のKBC-L2で実測138g。
iPad充電に対応した同L2Bは2g軽い136g。
黄色い電池は常用している18650。公称3600mAh。重さは43g。その隣は大きさ比較用に単三のeneloop。
右端の黒いのは、MagicShineという自転車ライト用のバッテリ−で、最初期の世代のもの。
(ライト本体は妻のGiant Escapeに装着していたんだけど、東北大地震の夜に自宅駐輪場からロックを切断して自転車ごと盗まれました)このMagicShine用バッテリー、中身は18650を4本結線して束ねたものでしかありません。
重さは210g。たぶん最近の機種ではバッテリーがプラスチックのハウジング入りなので、さらに重くなっているはず。
cheeroと中華ケースは、ともに3個のLEDが充電状況のインジケーターになっています。

そして、中華ケースの中身。容量2200mAhと表示のある186502本が同梱。狙いとしては、GPSサイコンやスマホをこのケースに入れて充電したり、取り出して中華ライトに使ったりすることで、「ほぼ18650だけで自転車まわりの給電をまかなおう!」という魂胆です。それができれば、モバブーやcheeroのようなバッテリーを持たなくて済むわけで、「電池を18650に統一することで100gほど荷物を軽くできるのでは」という前回記した期待に繋がります。


DSC02761.jpg

しかし…同梱されていた18650、プラス電極がマイナスと同じく平坦で、凸型になっていません。プラスとマイナス、間違えてセットしてしまいそう。そして、出っ張りのない分、他よりも高さが数ミリ足りませんw
DSC02762.jpg

試しに、自宅にある18650のいくつかを並べて比較してみました。
DSC02760 (1)

話が脱線しますが、左端は実は電池でなく、放射温度計ですw 測りたいものに向けて「ピ」、とボタンを押すと、瞬時に温度がわかるというもの。夏のアスファルトなどを測って、「こんなに暑い場所を走ってきたんだぜ」といいたいがために入手したんですが、鎖骨の手術から一度もブルベに出ていませんw ほかの使い途として、ずる休みをしている子どもに「ほら、あーんって、口開けてみ。ピ。おい、36.43度って平熱だぞ、学校行け学校!」みたいなことも可能です(同じ子どもにその手は何度も使えませんがw)。
ちなみにamazonで買いました。


脱線しまくりですね。

(2014/3/24)脱線ついでに追記すると、放射温度計、毎日コーヒーを淹れるときにに大活躍しています。

大坊さんのあの異次元に美味いコーヒーは、ご本人によると湯温80度ということでした。しかし実際に飲んでみると、もっと低く感じたんですよね。とくに最後に訪問したときは。

で、毎日湯温を少しずつ変えながらテストしているわけです。もう200杯はこれで試していますが、どうやら自分の場合、68度〜77度あたり、とくに75度前後がもっとも旨味成分がよく出ている感じです。挽き立ての豆の香りを逃がさないためにドリップ前は1秒を争いますが、この温度計だと瞬時に測定できます。いつもレンジフードにネオジム磁石で固定して、所要時間3秒くらいで脱着&測定していますw


また、上の画像の右端は何度かこのブログでもご紹介している、ZEBRA LIGHTのヘッドランプです。以前はフロストガラスのものを使っていましたが、あまり前方に光が飛ばなかったため、結局クリアガラスのものも買ってしまいました、、こちらは単体で30g。左隣の小さい電池、CR123A互換の16340で駆動するんですが、合わせても49gにしかなりません。18650と共用できる充電器があれば、運用コストは激安。600kmまでなら、予備電池を持っていく必要はないでしょう。IPX7なので、長時間にわたる豪雨時の防水対策さえしっかりできれば、お薦めです。

これですね→ http://www.zebralight.com/H31-Headlamp-CR123-220Lm_p_25.html


またまた脱線しました。話を元に戻します。
今回のケースですが、サイズがデフォルトの電池に適合するようになっているので、普段使っている背の高い18650だと、かなりギチギチになってしまいます。正直にいうと、少したわんでしまいますw でも、外蓋も少し隙間ができてしまうとはいえ、なんとか閉めることはできるので、なんとか使えます。

ただ、問題はそこではなく、やはり立て付けというか、加工精度がアレなところです。
入力用がマイクロUSB、出力がUSBポートになっているんですが、抜き差しに力が必要だなと思ったら、ご覧の通り少しずれていました。
とくにマイクロUSBはひどく、画像のように少し左側に偏ってしまっています。出力側USBの方も、若干斜めになっているのが見て取れますね。。

DSC02765.jpg

まあ、中国製はおおむねこんなものでしょう。動作の方は、まあ、とくに問題なくできました。最初は電子機器を壊してしまうのが怖くて、退役済みのiPhone4に繋いでみたところ、機嫌よく役目を果たしてくれます。No Problem。
デフォルトで同梱されていた18650でも、以前から常用していた18650に入れ替えても、もちろん大丈夫。
ただ、説明書にはiPadにも対応とあったため試したら、こちらは出力が足りないのか、ダメでした。
写真

まあ、本来の用途にはなんとか使えそうなので大きな不満はありません。でも、出力が1口しかないのは失敗だったかな。今回買ったのの後発で、USBが2口というのもありますが、デザインが酷似しているだけでなく、いろいろとやばそうですw
→これ

前回の記事のあと知ったのですが、中華18650はパチモンどころではないひどい製品も多く、中には砂を詰めた電池なんてのも売っているそうな。やはり一度は事前に試してみないと、いきなり実戦投入は怖くてできませんね、、、

長々と書いてきてアレですが、もし18650の給電ケースを買われる場合は、私が買ったような2本1組のものではなく、1本で使えるものの方が取り回しがよさそうです。ケースを2個使えば、USBも2口取れますし、壊れたときの冗長性対策にもなりますよね。


ブルベ&ロングライド用ライト装備のおすすめ究極形['15年3月更新]

ブルベをはじめとするロングライド用の自転車ライトについて、数年にわたる試行錯誤の末たどり着いた成果をご紹介します。

数十本のロングライド・イベントにおいて、この装備で完全にトラブルフリーでした。PBP(パリ・ブレスト・パリ)やパラダイスウィークなどの超ロングライド、台風暴風圏の走行、20時間降られっぱなしといった状況下でも、です。

とくに軽さと防水面では、間違いなく最強でしょう。ブルベに22回参加した年で、そのうち11回雨に降られた私が保証します(笑)

「電池がもつだろうか」「雨で浸水しないか」といった不安は、長時間の公道走行ではかなりのストレス要因です。これからおすすめする組み合わせで安定運用できれば、ライトのことなど意識から消してしまえます。

「軽量かつトラブルフリー」は、ロングライド中の安全性とストレス軽減にも寄与してくれるでしょう。


ブルベ用自転車ライト装備のおすすめは18650!


【ブルベ用自転車ライト装備のおすすめは18650タイプ】



1 乾電池? ハブダイナモ? おすすめは18650型
2 リスク回避のためにペアで使用!
3「超明るい」だけじゃダメ。周辺配光が重要!
4 中華ライトはハズレ多し。必ず本番なみのテストを! 




1 乾電池? ハブダイナモ? おすすめは18650型


乾電池は入手が容易です。しかし容量が小さく、ブルベ中は夜間に交換が必要です。

私は当初、電池式ではキャットアイのHL-EL500系を2代に渡って使っていました。しかし、

●キャットアイのHL-ELシリーズは
・防水性が信用できない(どしゃぶりだと普通に浸水する)
・かさばり、重い
・外装がプラ材で、脱落時に破損しやすい
・しかも、さほど明るくない
などの残念な点が多すぎて、やめました。
使っているかた、ごめんなさい。



…何本も乾電池を携行すると、第一に装備が重たくなりますよね。
また、深夜の道端で「+|-」の電極を確かめながら交換するのは、時間の無駄&極性まちがいの原因になります。そして乾電池は入手しやすいといわれますが…それはあくまで日本の話。

パリブレストパリに参加した際、PC(コントロールポイント)で乾電池が売られていたのは1カ所だけでした。よく探せば他のPCにもあったのかも。しかし、国内ブルベではコンビニがPCとしてよく使われるのに対し、PBPでは数千人が出入りすることもあり、学校や体育館のような大規模施設が使われます。駐輪場所からブルベカードの受付、食堂への移動といったことに徒歩何分もかかるのに、さらにあったとしてもすでに売り切れているかもしれない電池の探索に貴重な時間は失いたくないですよね。

そのような次第で、乾電池は日本国内の利用に限るかな、と思います。

●ハブダイナモについて
次に、ハブダイナモです。ハブダイナモは充電や電池換装といった煩わしさから自由です。一度は使ってみたいなあと思います。

ただ、貧脚なので、走行抵抗は少しでも減らしたい思いもあり。実はわが家のママチャリはハブダイナモつきですが、1年ほどで断線し、そのまま修理できずに何年も放置しています。もしロングライド中に断線したらと思うと、ゾッとします。

断線を考慮に入れて、配線を複数にするなど冗長化対策を行うなら、走行抵抗が増す以外は魅力的な選択肢です。ただ、後付けで配線を冗長化すると、どうしても防水性が損なわれるはず。それに、使えるホイールが限定されることも気になります。そんなわけで、私は手が出せていません。


●リチウムイオン充電池の1規格18650


・・・というわけで、リチウムイオン充電池の1規格である「18650」です。
※18650とは、直径18mm、全長65mmのサイズを示しています。
さいきんのスマホ充電用のバッテリーの中身は、ほとんどすべて18650が入っているはずです。

ブルベにおいて自転車専用充電型ライトは不適


bikelight.png
(特定のメーカーを否定する意図はないので、名前は消しています)


ここで余談です。
充電型の大光量ライトといえば、上のような大型バッテリーで給電する自転車専用品が増えてきました。しかし率直に申し上げて、【ブルベにだけは】使うべきではありません。ブルベを始めたばかりの人が、何となく明るそうだからと手を出す「あるある系」とすら考えます。

はい、ご多分に漏れず、私も使っていました。しかし、このタイプは明るさでは完璧でも、いかんせん重すぎるのです。防水性も信頼できません。

まず、上の写真のような専用バッテリー。実測すると単4電池換算で13本~16本分もの重さがあります。
しかも、このバッテリー1個だと、一晩はもたないのですよね。1個で出走する人は多いのですが、たとえ200~300kmクラスの距離であっても不測の事態は起こります。ほんらいスペアのバッテリーは必ず携行すべきです。

複数個が必要な理由は、ほかにもあります。

①接続ポートが特殊なため、トラブル時に他の電池で代用できない

②バッテリー切れの場合、充電池とライトの双方が「ただの重り」になる(しかも捨てられない)からです。

2 リスク回避のためにペアで使用!


ブルベでは、300km以上は2灯以上がルールです。これは本来、2灯とも同じ電源タイプで揃えるべきです。自転車専用を使う方の多くは、乾電池用と併用するなど、異なるライトを使っていらっしゃるでしょう。なぜなら専用ライトは高額だし、バッテリーが重たいからです。しかし電源が異種であると、不具合があった場合に相互流用できず、もしもの際に途方に暮れます。
(ライトのトラブルが起きるのは、まず間違いなく夜間です。仲間がいればともかく、単独走行のときなど心細いですよね、、、)

長距離の2灯以上というのは、ほんらい故障時などに備えたバックアップが目的です。しかし異なる電源タイプのライトであれば、それぞれに対して予備電源が必要になってしまいます。

整理しますと、「ブルベでは同じ電源タイプのライトを2灯つけて冗長化」がよいわけです。専用ライトの場合、2灯であれば巨大バッテリーは最低3個、必要になります。バッテリー3個だと、単四電池換算で39~48本分の重さ。これが4個だと…?(笑)

そして、防水性。このタイプのバッテリーは、フロントバッグやトップチューブマウント型のケースに収納します。それらのケースは、Ortliebのフロントバッグでも使わない限り、総じて防水性は低いです。「雨の中走ったけど大丈夫だった」と仰る方には、たまたま雨が弱かったか、短時間だったラッキーなかたでしょう。

ゲリラ豪雨や台風の直撃、スタートからゴールまでずっと雨といった状態が持続する場合、このタイプは耐えられる構造ではありません。

つまり、

【ブルベにおいてリチウムイオン自転車専用ライトはあり得ない】

ことがおわかりいただけると思います。

※繰り返しますが、上記はブルベ限定の話です。ジテツーや普段使いにはよいでしょう。

そんなわけで、私は1本の18650電池で駆動する中華LEDライトをペアで使用しています。軽量かつシンプルです。ライト1本あたりの明るさは、公称で1,200ルーメン(lm)。電池のほうは、予備も含めて4本を携行します。

4本あれば600kmブルベも余裕ですが、それ以上の超長距離BRMであっても4本でいけます。
というのも600kmを超えれば、通常は途中のCPや仮眠場所に事前に荷物を預けられる「ドロップバッグ」サービスが実施されるためです。着替えなどとともに充電済の予備18650を4本ほどドロップポイントに送っておき、交換するわけです(PBPなどの場合は、【点灯試験済み&満充電の充電池を装備したライトごと】交換するのが、時短になりますのでお薦めです。つまり18650ライトは4本準備、です)。

【ハズレも多い18650ライト】



ところで18650ライトと言っても、無数に種類があります。香港の通販サイトDeal Extreme(dx.com)で検索すると、なんと2,000種類以上もヒットします。私がはじめに購入した数本は、時代もあったのかもしれませんがハズレばかりでした。走行中のわずかな振動で点滅したり、突然消灯したり。また、光軸が狭く周辺に光が回らなかったり、届いてみたら点灯モードが「ハイパワーとストロボだけ」という、ブルベやロングライドにはまったくの役立たずもありました。

また、こうしたハズレ商品は、並行輸入業者経由でも遭遇しました。ほんとうにがっかりです。

そうやって試行錯誤するうち、気がつくと20本近いライトを購入していました。それだけ試す過程で、冒頭に述べた「ブルベで使うライトに必要な要件」も徐々に固まってきたのです。そして数年かけてようやくたどり着いたのが、以下に述べる中華ライトでした。

いつもこのdx.comで購入していますが、ここは類似商品も多く、しょっちゅうハズレをつかんでしまいます。それゆえに、リンクの先にある商品はハズレのない(あるいは少ない)貴重な商品といえます。

ハズレが多いゆえ、1つ買ってダメだったら、あきらめて別のを試す鷹揚さも必要です。ちなみに、Deal ExtremeはAmazonのようにユーザーレビューがついていますが、私は参考にしていません。どうも海外ユーザーは評価が大味で、多少の不備があっても「great!」「perfect!」のオンパレードな気がします。

それでは、これまでいくばくかの授業料を支払って得た、マイベストをご紹介します。(2015年3月15日時点でもベスト)

UltraFire のC2-T60


です。

(商品名で検索してしまうと、類似品がぞろぞろ出てきます(笑)。下記のリンクの商品は私が買ったのと同じSKUなので、おそらく間違いないと思います)

■18650ライト 選び方のポイントとお薦め品■



・ポイント1:明るさは900lm以上
・ポイント2:点灯モードはHi - Mid - Low の3モード。5モードはダメ! 走行中の切替が危険!
・ポイント3:明るいだけではなく配光パターンが重要
・使用電池は1本タイプで。2本以上のタイプだと予備の電池の準備がたいへん
・反射面はオレンジピール加工
・使用電池にも注意が必要。
 →長さは適正か?(中華電池は長さもまちまち)
 →容量は?(公称値だけを妄信しない/パチモノが非常に多い)




UltraFire C2-T60
UltraFire C2-T60 XM-LT6 3-Mode 1200-Lumen



ブルベ用ライトのおすすめ装備

(画像はDeal Extremeより)


2015/3/15追記
発売から4年以上経っても、dx.comの2,000種類ある18650ライトで、条件にドンズバで合致するのはこの1種しかありません(!)在庫切れや完全にディスコンになった場合に備え、念のため次点候補も挙げておきます。オレンジピール加工ではない以外、条件は満たしているようです(ただし、こちらはスペックで選んでいるだけなので、ご利用の際は自己責任で)。

次点:UltraFire C9-T60







お薦め製品は上で紹介してしまいました。
ここからは、ブルベにおけるライト選びのポイントについて個別にご説明します。

・ポイント1:明るさは900lm以上


 →900lmも1200lmも中華メーカーの公称値であって、光円を目視で比べても違いはほぼわかりません。
  とはいえ、600lmや400lmを謳う商品は、実点灯すると暗いです。

・ポイント2:点灯モードはHi - Mid - Low の3モードが吉


 →ほとんどの機種に装備されている点滅モード(ストロボ)は、自転車で使うには法律違反ですし、遭難でもしない限りは使いません。また、フルパワーであるHiモードは100分程度しか持続しないので、これまたブルベで使う局面は皆無です。

通常は真っ暗な山間部はLow(持続時間24時間以上)、街灯があれば明るさに紛れないようにMid(持続6時間ほど)などと、2モードを使いわけます。

ではなぜHiモードで900lm以上なのかと問われれば…「500lm程度以上で8時間以上点灯するモードとLowという2種類だけ」といった商品が存在せず、しかたなく選んでいるのが実情です。

5モードの点灯パターンがダメな2つの理由


 →上述のとおり、点灯モードは3パターンであるべきです。1モードか2モードがベストでしょうが、これまた上述のとおり「500lm超 & 点灯8時間」といった商品がいまのところ皆無。

では点灯モードが多ければよいのかといいますと、それもダメなのです。18650ライトの多くが「ストロボ点滅」「SOS」つきですが、余計な点灯モードがたくさんあると、走行中に瞬時に希望モードに切り替えられません。サングラスをつけたままの昼間のトンネル内など、事故リスクがあります。

そして、ストロボモードは単に切替に時間がかかるばかりではありません。切替中に自分自身の目が眩み、MidとHiの明るさが識別しづらくなるのです。「あれ、これMidでいいんだっけ…?」と何度も何度も切り替えても、いまひとつモードに自信が持てません。走行中に気をとられると、とても危険。
そして、誤ってHiモードを選んでしまうと・・・はい、100分以内にバッテリーを使い切ってしまいます。

ちなみに私の場合、3モードのライトをハンドルの左右に2灯装着し、片方をMid、残りを持続時間を延ばす意味でLowにする、などと使い分けています。

3「大光量」だけじゃダメ。周辺への配光が重要!


 →自転車ライトは明るさが正義、とお考えの方は多いでしょう。しかし、それは危険な考えです。とくにブルベの場合、深夜に人里離れた山間部を走る局面があります。進行方向だけが明るいと、目はその明るさに慣れてしまい、周囲は完全に闇に沈みます。狭い面積しか照らせないと、側方からの飛び出しなどに気づかず、事故リスクが高まるのです。夜中の飛び出しなんて、と思われるかもしれませんが、タヌキなどの横断は比較的ポピュラーです。私は房総で、野生のシカの群れが突然路肩から次々飛び出すのに出くわし、衝突しかけたことがあります。

一箇所だけをむやみに眩しく照らすくらいなら、いっそ真っ暗にして目を暗順応させた方が安全かもしれません。
もちろん一定以上の明るさは必要です。でも、それ以上に進行方向全体を【面で照らす】ことが重要です。

少なくとも「コリメーターレンズ」という、凸レンズを光軸に仕込み、まっすぐ遠くまで光が届く方式は自転車向きではありませんので、避けましょう。ある程度周辺域にも光が回った方が、絶対に安全です。深夜の峠で、きついワインディングを駆け下りるときにも安心です。

とはいえ、配光パターンは現物で点灯試験をしないとわかりませんね。上でお薦めしている製品は、周辺配光もほどほどで、いい感じなのです。

・反射面はオレンジピール加工(梨地加工)がベター


→実は必須ではなく、優先順位は少々落ちます。明るいライトなので、対向車などに防眩効果があった方がいいかなと。しかし梨地加工であることよりも、人の顔を直接照らさない取付角度にする方が、よほど効果的です。
この件については、ハンドルへの装着箇所の項目で後ほどご説明します。

上記の条件を満たしつつ、もし同じスペックのものが複数、候補として上がっているならば、、、

・できるだけ軽くコンパクトなもの

という条件も付け加えれば完璧です。
万一故障などして「無駄な重り」になっても、できるだけ軽くしておきたいですよね。

【参考】UltraFire C2-T60の重さは実測で

本体:120g
電池: 46g
マウント:18g(超軽量なマウントのことはこちらに記しています
──────
計  186g

これ以外の商品を探す場合は目安にしてください。

※ライトの防水について


 雨に20時間降られたり、

→”台風中心部の暴風圏で自転車が宙を舞う”

のがブルベですw なので私は、デュラグリスで締め込み部をこってりとグリスアップしています。この処置だけで、上記のような状態でも浸水とは無縁でした。

■18650リチウムイオン充電池



※ひとくちに18650といっても、これまた実に多様な品揃えです。ちょっと信じられないことに、異なる中華メーカーの18650電池を並べてみると、長さが数mm単位で異なります。ここでの選択ポイントは、

・全長は適正か?
 →ライト本体にはマイナス端子にスプリングが入っているため、少々サイズが違っても収まります。お薦めしているライトも問題ありません。しかし、中には電池の長さに非常にシビアなライトも存在します(

私の愛用のヘッドライト

がそう…)。

・容量は多ければ多いほどよいが、注意も必要!

→中華メーカー製は、同じサイトでパチモノが売られていたり、持ちが悪いので分解したら中に砂が詰められていた、というひどい商品も多いようで、アタリを見つけるのがたいへんでした。
最近は国内メーカー品がAmazonなどでも扱われているので、そちらが安心です。

■バッテリー充電器



私なりの充電器選びのポイントは、

・保護回路がついているか
・日本で使えるコンセントの形状か
・電圧は日本に対応しているか
・逆に海外遠征する場合は、その国の形状や電圧に対応できるかもチェック

充電器に関しては、おかげさまでトラブルに遭遇したことがありません。
以下から比較検討できます。
http://dx.com/s/18650%2bcharge?category=401

4 中華ライトはハズレも多い。必ず本番同様のテストを!


中華サイトのお買い物で、これだけは絶対にお守りください。

「ブルベでライトを使う場合は、いきなり本番デビューをさせないこと」。

安い分、歩留まりが悪いです。しかし、個人輸入代行業者から購入しても、欠陥品が送られてくることはままあります。そしてどうやら、↑上でお薦めしたリンクで購入した商品でも、粗悪な回路を組み込んだ商品が送られてくる場合があるのです。とにかく実地に試すこと。でないと、路上で泣きを見ます。

■過充電しない!



充電器側と充電池本体に保護回路がついていたとしても、中華系に過信は禁物です。もしかしたら回路が壊れていたり、そもそも基板を入れ忘れた商品があるかもしれませんw なので、充電が完了したら(インジケーターが赤から緑に変わったら)、できるだけ電池は外しておきましょう。何年も使ってきて不具合は一切ないですが、ほんとに過信は禁物です、、、

なあんて、ここまで繰り返しトラブルのことを書いてきて、なぜそこまで面倒をかけて18650にしないといけないのか、とお思いの向きもあるでしょう。やはり最大の理由は、

  ↓      ↓      ↓

■まとめ■ 最大の効果は、手間の軽減と軽量化



18650をスマホやGPSの充電、フロントライトにまで使えると、ほかに用意する予備電池は尾灯(リアライト)用とヘッドライト分程度で済みます。これは軽量効果大! 予備としてもっていく18650はわずかに2本程度。600kmを超えるイベントでは、たいてい途中のポイントに荷物を送っておけるドロップバッグ制度が用意されています。なので、走行中の電池はこれで十分なのです。明るさと持続時間と重量のバランスはかなりよいのではないでしょうか。

テーマ:自転車
ジャンル:趣味・実用

BRM929近畿600km 紀伊半島一周その3(~ゴール)

洗濯中にうとうとし、止まったら洗濯物を乾燥機に入れ替え。いろいろ逆算すると1時間30分は滞在していたので、1時間と少し、仮眠をとった勘定だろうか。もちろん風呂にも入れないし寝不足だしでパフォーマンスは悪いけど、ほんの少し持ち直したので再スタート。20km弱を進み、2:45に385km地点のPC4、ファミリーマート志摩磯部店に到着。先ほどのファミマから、正確には11.1kmしか離れていない。なのに2時間ちょうどかかっていてがっくり。ちゃんと寝た!というさっぱり感が全然ないのに、時間だけが過ぎている。

ここで1つだけ、うれしいことが。これまで往路のルートファイルが役に立たずGPSも意味がなかったのが、後半のルートファイルがカバーする地点まで来ることができた。後半のファイルはデータとしては正常なので、ようやくルートを表示できるようになった次第。これでコースミスは激減するはず…!

お客は私だけ、店員はひとりという淋しいファミマをあとにして、次はやたらに近い、9.8km先の通過チェックとなるサークルKへ。20分ちょっとで到着すると、見知った顔が…私よりも後からスタートしたガクさんたち。ガクさんはまんぺいさん(@manpei01)とずっと走ってきたそうで、私ははじめまして。

手早く補給をし、入れ違いに出発されたお二人を追いかける。400km地点を通過し、さらに数キロ走り、鳥羽水族館のあたりでキャッチアップ。しばらくご一緒することに。

伊勢市に入り、417km地点で伊勢神宮の外宮前を通過。このあたりでなんとなくの流れで私が先頭に。でも、再び眠気がぶり返してきて、気づくともう、極端にスピードが落ちている。うとうとと半ば眠りながら、20km/h程度で進む(危険すぎるので絶対に意識的にはやってないつもりだけど、どうも私は居眠り運転でもまっすぐに走れるようです)。おふたりともスタミナがあり余っているらしいのにペースを合わせてくれて、ほんとうに申しわけない。

ほんの少し雨がぱらつく中、439.6km、PC5 サークルK勢和多気店に到着。買い物をして出てくると雨は止んでおり、東の空がバラ色に染まっていた。居眠り走行していたからなんだけど、今回はPC間の平均時速はわずか18km/h…。そして、残りは187km。このペースが続くと、帰りはやはり15時過ぎか。そうすると、台風の直撃は避けられても、豪雨には巻き込まれるだろう。またもモチベーションが落ちている。ぐずぐずと補給し、軽量化している間にお二人は先に出発され、再びひとり旅。

軽いアップダウンを繰り返したあと、ここから本ブルベのメインディッシュ、高見トンネルまでの上り。標高は633mしかないので本来の難易度は低い…はず。でも、7月頃どころか、去年の今頃よりも断然弱くなっている。再びぽつぽつと降ってくる中、情けないペースで少しずつ上っていく。

トンネルよりもずっと手前、先ほどのPCから20kmあたりで道の駅飯高で有人チェック。お、と足を止めると、先行したはずのガクさんもいらした。スタッフの方から、「たぶんおふたりは嵐に遭わずに帰れるだろうけど、早めに峠は越えるように」との注意をいただく。またも焦ってしまう。峠や台風のことばかり気にして、無情にもペースが若干落ち気味のガクさんをほったらかしにして、ひとりで先行。

ここから先は本当に余裕なし。斜度も一貫して6%程度なのに、全然思った通りのスピードが出ない。ゆっくり、じわじわ。息荒く進行方向に目を向けると、見上げるほど高い場所にループ橋。そうか、あんなところまで上るのね…一漕ぎ一漕ぎ意識しながら延々と。なさけない、これしきでこんなに苦労するとは。這うようにして、ようやくてっぺんの高見トンネル入口に到着。490.5km、標高633m。

さ、あとは下り基調! と思いきや、長いトンネル内も中間地点までは上りが続く。トンネル内の気温差からか、なま温かい風が正面から吹き下ろしてくるのもつらい。最後のカラ元気でクリアすると、ようやく下り。もう、ずっと下り。せっかく積み上げた位置エネルギーを使い、十数キロkm連続の下り。トンネルを出て次の左折ポイントまでの10kmは、時速50km/hに近い。その先は旧伊勢街道というのか、明治大正の町並みが残る通り。杉林の川べりを快適に下り、吉野川沿いをゆるやかにアップダウン。

以降の区間は市街地の裏通りの雰囲気で、あまり印象がない。しかし、信号待ちで停車すると、途端に雨が腕や顔に降りかかる。低気圧の前線から逃げるように40kmを走り、奈良県五條市のPC6、サークルK五条病院前店に到着。543.2km地点。ここも有人チェックで、スタッフに確認のサインをいただく。いただくうちに、雨がついに本降りになる。あれま。追いつかれたか…。そこで急げばよかったのに、さらに補給に時間をかけてしまい、強くなった雨脚のなかを覚悟して出発する。ゴールまではあと69km。

事前の予想では、三重の海岸から奈良方面へ西進する際、常に強い追い風で背中を押されて楽できるはずだった。でも実際はそんなことはならず。それがここに来て、つまり奈良から和歌山の県境を過ぎ、吉野川が紀ノ川に呼び名が変わったあたりから、少し追い風気味になってきた。貧脚なりに巡航速度はらくに時速32~35km。先ほどのPCで、雨に備えてビニール袋でソックスとシューズを二重にくるみ、ビニールテープで密閉してきた。なので靴への浸水を気にすることなく水たまりを突っ切っれる。対向車が盛大に水しぶきを上げても、もはや気にならない。調子に乗って飛ばしていると、574km地点あたりでまんぺいさんに再び合流。ふたりで雨についてぼやきながら、ご一緒する。

589.4km地点、最後の通過チェック地点のローソン和歌山大垣内店。結構な距離を大雨に降られ続けたため、ふたりとも上から下までずぶ濡れになっている。靴への浸水対策も効果がなくなってしまった。停車すると、打ちつける雨に体温が奪われ、がくがくと震えてしまう。そんなわけで、まんぺいさんには「買うのはブラックサンダー程度にしましょう」と声を掛け、滞在時間わずか数十秒で、ただちに出発。残り22.8km。時間にすると到着まで1時間くらいか。しかし敷地を出た途端、これまでの大雨が霧雨程度に思えるほどの豪雨になる。文字通り、叩きつける勢い。時間は正午前。台風本体は上陸していなくても、ついに先がけの暴風雨圏内に入ってしまったらしい。

こんな時間に外を歩いている人はもちろん皆無。クルマの往来も台風を避け、激減している。往路で間違って2回通った因縁の川辺橋をもう一度渡り、北岸へ。土手で信号待ちしていると暴風で体温が奪われ、自転車もなぎ倒されそう。SPDのクリートなので足をつくと滑る程度だが、ロード用のクリートなら足元をすくわれて、立っていられないだろう。

車道走行では飛ばされると命にかかわるので、しかたなく幅広の歩道を走行。裏通りに出て、雄の山峠までの登坂区間に入る。余談ながら、信号のない峠区間を除き、最後のPCからひとつひとつの信号にことごとくひっかかってしまった。待ち時間も通常より長く感じられた。単に暴風のためペースが落ちていたからなんだろうけど、それこそ、なにかの悪意を感じるくらい。

そうして最後のヤマ場、雄の山峠。標高差にして200弱に過ぎないけれど、往路で懸念したとおりの激坂区間。加えて、上から吹き下ろしてくる暴風。唯一の救いは、台風の影響で昨日ほどクルマの往来がないことだろうか。瞬間的に突風がたたきつけてくるため、左の路肩から反対車線の路肩まで、吹っ飛ぶように押し流される。そうならないように、左端へ左端へと、死ぬ思いでペダルを踏みつける。ちなみに、左側イコール谷側。これだけ出力を上げていると、突然風がやんだら、勢いでガケから転落しかねない。心拍ベルトは外していたが、間違いなく、ここ2年ほどで最高値の心拍数だったと思う。自分のへたれっぷりに暗然としながら、ペースを合わせて上ってくれるまんぺいさんについて行く。

ようやく峠を登り切り、クランクを猛回転させながら坂を下る。これはスピードに乗るためではなく、せめてジャイロ効果で車体が安定しないかと期待してのこと。

しばらく阪和線沿いに走り、604km地点、JR和泉鳥取駅付近で大阪湾方面に転進。平地に下りて来ると、ますます風が激しい。まんぺいさんに注意を促され、顔を上げると、頭上の四畳半ほどの巨大標識がぶわあっ…と舞い上がっている。街路樹だけでなく、信号柱もぐわんぐわんと揺れている。こんな状況で走っているなんて、どうかしている。そばをかすめるクルマから、あきれかえった視線が飛んでくる。

アタマがおかしいって? わかってるよ! これでも急いで帰ってる途中なんだから!ヽ(`Д´)ノ

南海本線をくぐり、左手に海が見えてくる。りんくうタウンに続く海岸沿いの道に入る。流水に覆われてGPSの画面はほとんど見えなくなっているけど、残りあと4km。これまでと違い、もはや風を遮るものは路肩の細い手すりしかない。暴風雨はもう、筆舌に尽くしがたいレベル。ラピュタにたとえると、ついに龍の巣に突っ込んだところだ。先ほどから大通りを走っていたけれど、もはや車道走行は完全に論外。ふたたび歩道に避難している。まっすぐには走れず、横に飛ばされた際のマージンも考え、思いっきり左寄り。そして顎を上げ、真正面を見据えている。ちょっとでも顔を下に向けると、アイウェアの隙間から雨粒が目に突き刺さってくる。なのでヘタに下を向くことができない。

さらにたいへんなのは、水路をまたぐ橋の上。地面から離れているぶん、さらに風が荒れ狂っている。とうとう自転車から下りざるを得なくなった。ツルツル滑るタイル舗装の上を、クリート付きのシューズで押し歩く。ときおり、衝撃波のように突風が叩きつける。カメハメ波を受けたみたいに、ずざざっ、と後ろに滑るように飛ばされる。あるいは、比較的路面のグリップが効いているところでは、自転車が風に持って行かれて水平に浮き上がる。水平に持ち上げた自転車を、見えない誰かと取り合っているようだ。自分自身が飛ばされないよう注意しつつ、力を込めて地面に押し戻す。

この20km区間はまちがいなく、自分が経験した(天候面における)ワーストブルベだろう。ただ、妙な昂揚も感じている。気がつくとずっと笑っている。あきれかえって脱力した苦笑いだ。

これはいい話のネタになる。おいしい。おいしすぎる。

……こんな調子だから、ヘンタイと後ろ指をさされるのだろうか。

なんとかスタート地点だったりんくう公園を通過する。ゴール地点はりんくう公園の少し先、駐車場併設の温室だ。海べりを離れ、1ブロックだけ市街地に入る。少し風は和らぎ、ようやく人心地がつく。

そして、そのままゴール。

所要時間30時間56分。キューシート上の距離は612.2km、サイクルコンピュータの距離は627km。

急いだ割には、ミスコースだので時間がかかてしまった。そして、龍の巣のなか、風雨のピーク時に帰ってきてしまったらしい…

温室でスタッフのみなさんにラーメンやコーヒーを振る舞っていただき、やっと弛緩できた。夜には風雨は収まるだろうから、あと数時間もすれば飛行機でらくちんに帰れるだろう。

念のため、天気アプリで確認すると…

あれ…「本日17時以降は全便欠航」… なんだってぇ!?

しかも、関西空港への連絡橋まで封鎖されてしまっている… 和歌山市の実家まで帰ろうにも、阪和線が和歌山の手前で折り返し運転。しかたなくひとり暮らしの母親に状況を報告して、この付近のホテルをとることにした。すると、りんくうタウン界隈のホテルは飛行機欠航の影響か、すべて満室…

ああ、明日は休むかも、と会社に伝えておいてよかった。結局スタッフの村上さんのご紹介で、泉佐野のホテルを予約でき、ことなきを得た。雨が弱くなるまで脱力したままゴール受付で3時間過ごし、台風が通過した街を自転車で移動した。

このホテルは客室持ち込みはできないため、持ち歩いていたボロタオルで車体を拭いて輪行袋へ。ここで驚いたことに、普段雨中走行をすると真っ黒になるリムがピカピカ光っている。あの突風と豪雨で汚れが全部洗い流されたらしい。高圧洗車、というか低気圧洗車(by ガクさん)というか…

投宿後、880円と値段の割には豪華な夕飯。アルコールは控えたのに、部屋に戻るとあっという間に朝まで寝落ち。新たに飛行機を予約し直し、無事に羽田まで戻ってきた。



880円。イカのお造りはさすがにオプション。


関空までの海は心なしかコーラルブルー風。


やれやれ、またもたいへんなブルベに出てしまった…

ご参加のみなさん、スタッフの皆さん、おつかれさまでした。そして、ありがとうございました。
また、いずれどこかのブルベで!



【ここでお詫びと訂正】

実は完走直後のツイートで、「SR×5回分走った」と書きました。しかし実際は、クインティプルSRには400が1本分足りない…なのでクアドラプルSRに過ぎません。本来ならBRM1006青葉600km関東一周もエントリーしているので、これに出て完走すればほんとに5回なんですが、家庭の事情でDNS…。
ということです。ごめんなさい。

BRM929近畿600km 紀伊半島一周 その2(〜380km)

行程上はまだ30分の1。序盤とも云えない序盤のトラブルで意気消沈してしまった。たぶん三船さんや落合さんにあっという間に抜かれるだろうし、台風を避けるためにも急いで来ていたのに、気づけば早くも最後尾になっている(たぶん)。モチベーションはダダ下がり。かといって近畿まで遠征してきて早々にDNF、というのもありえない。

そんなわけで、気を取り直しマイペースで進む。和歌山市から海南、有田、御坊と南下。海南のコンビナート地帯を抜けると、トラックも減り、徐々にのんびりした景色になってくる。今回、サドルバッグにはガクさん(@gak_t12)からいただいたTwitterアカウント付き名札をつけている。すると、御坊の市街地あたりだったかな?信号で一緒になった方から声を掛けていただく。ひらまつさん(@hiramatsuuuu)と仰る方。私のアイコンを知っているとのことで、恐縮する。ブルベ中は名前も知らない間柄で終わりがち。でも、こうしてアカウントを通じてお顔と名前が一致して、互いに知り合えるのは楽しい。ガクさんの名札に感謝。

ひらまつさんが撮影なさった走行動画に,少しだけ私も写っていました.。4:10あたりから。
http://youtu.be/V5Ek--QWSXE


それからさらに南下して11:50に119.7km地点、田辺市のPC1のローソン田辺元町中之谷店に到着。コマ図を見ると、少し先にラーメンの「天下一品」があるようだ。台風のせいで名物堪能は諦めていたけど、せめて好物の天一くらいは食べていきたい。ローソンでポカリスエット900ccと大福だけ求め、ただちに出発。天一前に着くと、ちょうど別のランドヌールが入ろうとするところ。




カウンターに並んで掛ける。同じく和歌山県出身で、新宮がご実家ののいずさん(@oyavin44 )。途中自宅に立ち寄ってシャワーを浴びる予定だそう。私もブルベで最大の元気の素はシャワーなので、とてもうらやましい。おたがいがんばりましょう、と出発。

のいずさんによるとここから先、すさみのあたりまでは小さなピークが20個ほど続き、かなり堪えるらしい。情報をもとに身構えていくけど、やっぱりきつい。上っては下り、上っては下り。新しい上りがあらわれ、終わることがない。1個あたりはせいぜい標高50m程度のが無数にある。最近ほとんど自転車に乗れていないこともあって、消耗が著しい。

3時間ほど苦行を繰り返し、15:05頃ようやく串本のPC2、ローソン串本町串本店(194.3km)に到着。ここまで来たのだから、もう少し脚を伸ばして本州最南端の潮岬まで…行きたいけど行けないよね、台風が迫っているし、そんな余裕はない。そんなわけで、PC2を出てすぐに見えてきた橋杭岩でだけ少し停車し、記念撮影。ここに来るのは小学校以来。なんだか記憶よりもこぢんまりとしている。やはりそれなりに自分が成長したからかな?








さて、ここからは進路を転じて徐々に北上。太地のクジラ博物館を横目に通過し、那智の滝や青岸渡寺など、高野山と並んで大好きなスポットに立ち寄ることもなく過ぎていく。ああ、もったいない。さらに、速玉大社まで敷地横を走りながら、完全スルー。昨年のフレッシュ九州でも、高千穂峡のすぐ脇を通ったのにあの景色を見ることができず、とても悔しい思いをした。ブルベで観光地を諦めるのはもはや仕様と諦めるしかないのだろう。

約240kmで新熊野大橋を渡り、和歌山から三重県に。このあたりはまったくのはじめて。「紀南」という地名に、違和感がある。私の間隔では、三重はあくまで愛知と同じ中部地方。紀州の「紀」の字を使っていると、なんとなく和歌山の延長にいる気がする。「南勢」ならしっくり来るんだけど。

261km、熊野市の市街に入り、裏通りを抜け木本トンネルにのぼっていく。一方通行の一車線車道と、やけに段差の高い歩道とだけが走る細い隧道だ。国道の鬼が城トンネルが自転車通行不可のため、ここだけこちらを迂回路として通る。この数キロを除けば、海南市から延々200km以上、国道42号を走ってきている。ほどなく復帰して、再び42号で佐田坂へ。

すでに日が暮れてしまい、ナイトライドになっている。コマ図を見るにはヘッドランプが必須なのに、自慢のZEBRA LIGHTが点灯せず、焦る。今回、CR123Aの手持ちを使い切ったため、同サイズのリチウムイオン充電池を初めてもってきている。どうやら相性が悪かったらしい。なぜ、試験点灯して来なかったのだろう。GPSのルートの件といい、手抜かりが多すぎる。結局、ハンドルにぶら下げている中華ライトのうち1つを外して背中ポケットに入れておき、コマ図を見るときに手で照らすという、なんともなアレな手段になってしまった。面倒でコマ図確認の頻度が激減するから、またミスコースの元になるんだけど…

そんなわけで、無精をしていて、いまいる佐田坂がどこまで上るのかがわからない。かといって坂でコマ図を照らすのも億劫で、そのままえっちら。なぜか標高170mと記憶していたけれど、明らかにそれ以上、上っている。170m程度でこれだけ負荷が高いと、このあとたしか標高400mの峠が待っているのに耐えられないのでは。脚の鈍りっぷりに落ち込んでいると、実はその佐田坂が400mの序盤だったことに気づき、少し安心。

斜度が緩やかになり、気持ちにも余裕が戻ってきた。そのため、見えてきた道の駅「熊野きのくに」で補給ストップ。距離は270kmくらい。温かい食べ物を期待したけど、19時閉店だから…とのこと。壁の時計を見ると、すでに18:52。しかたなくパウンドケーキとお茶を買い、店の女性たちに台風のことをたずねる。上陸は明日の15時くらいとTVでいってましたよ、とのこと。少し進行がゆっくりになったのかな。ホテルに入ったりしなければ、そのくらいの時間には着けるだろう。希望が見えてきた。

パウンドケーキを急いで腹に収め、大又トンネル、矢ノ川トンネルと長い2つのトンネルまで上る。合わせると3kmくらいだろうか。抜けると、一気にダウンヒル。クルマの往来が多かったけど、50km/h前後出ているので、煽られることもなく快適。290km地点の尾鷲市街まであっという間。その後いつものペースに落ちながらも小ピークをこなし、319km、PC3 道の駅「紀伊長島まんぼう」に到着。ここはスタッフのみなさんによる有人チェック。トイレに寄り、加水したエタノールで身体を拭くなど15分以上身繕いしてから、PCに。暗い敷地にそこだけキャンピングライトの点った東屋。銀マットが敷かれ、仮眠もできる案配。でも時間は21時過ぎなので、眠気はない。飲み物だけいただき、しばらく雑談してから、先行したランドヌールに続き出発。

先行する方の姿は、おおむね200m先。しかし、峠の途中で見失ってしまう。右折すると下りになるのに、気づかず道なりに登坂を続けてしまっていた。上っても上っても先が見えず、なんだかおかしい、とGPSを表示。いまだにルートは表示されないものの、この県道がまっすぐ北に向かっていることだけは画面からうかがえる。でも、向かうべきはほぼ真東方向だ。おかしい。コマ図では右折というほど右折らしい表示ではなかったので、途中で曲がるべきだったとの思考には至らない。確認のためにiPhoneでルートラボを表示しようとしたけれど、思った通りここは圏外。やはりさっきの分岐を曲がるしかなかったのか。半信半疑で下り、進んでみると、ほどなくコマ図通りの紀勢南島トンネルがあらわれた。コマ図のカスタマイズには凝ったけど、それは見た目の体裁だけで、ルート確認のほうはまったくしなかったものな…

今日何度目かの反省をしているうち、どんどん眠くなってくる。でも、仮眠できそうな場所なんてまったくないし… と思っていたら、屋根付き壁付きのバス停を発見。どうせすぐにからだが冷えて目が醒めるだろうけど、少し寝ていこう。中に自転車を引き入れ、ベンチにゴロリ。すぐに眠りに落ち、ほどなくクルマのアイドリング音で目が覚める。ひとけのない深夜にもかかわらず、道路の向かい側にクルマが停まっている。汗冷えにも耐えかねたので一度起き上がり、そちらに目をやると行ってしまった。ところがもう一度横たわると、今度は別の軽自動車が来て、やはり同様にアイドリングしている。なんだろう、2台立て続けに? 野菜の直売所でもあるのならわかる。しかし、そんなものがないことは確認済みだ。暗闇のなか横たわっている私をじっと観察しているようにも思える。なにか勘違いでもしているのだろうか? 2台目も立ち去らないので、なんだか気分が悪い。そろそろ出発しよう。身繕いをして自転車を出すとき、瞬間、ライトで運転席を直射してしまった。すると、胸にミニダックスらしきイヌを抱いた30代くらいの女性の姿が。LEDに照らされ、死ぬほど驚いた表情が浮かび上がった。いや、こっちだって驚くよ…なぜずっとこちらを見ていたんだろう。いや、見ていたわけではなく、別の用事があった? 横になっている間、その2台以外はたぶんクルマは通らなかったはず。結局、理由はわからずじまい。


※後日気がつきましたが、この2台のクルマのどちらか、あるいは両方とも、おそらくは疲労による幻覚だったようです。女性の姿も、ミニチュアダックスも、たぶん幻覚……


南伊勢町の350km地点くらいを過ぎ、少しの仮眠では疲れは取れない。そこから20km弱を頑張ると、久々にコンビニ(ファミリーマート)が見えてきた。五ケ所浦という地名らしい。次のPCまではあと20kmを切っているけど、ドリンクボトルが軽くなっているので、補給。蚊に喰われるのを追うこともできず、へたり込む。時刻は00:45。80km弱を3時間半ちょっと。明らかにペースが落ちている…これだけ遅くなると、またも投げやりな気持ちになってくる。

それにしても、汗のべたつきが気持ち悪くてしょうがない。ウエアに皮膚が触れるのがイヤで、ろくに身体も動かせない。普段さほど寒がりでもない私がブルベで悪寒に震えるのは、結局汗で気持ち悪い→鳥肌が立つ→逆フィードバックで寒気がする、ということらしい。妙に硬直したまま再出発したものの、かなり我慢の限界になっている。脱脂効果を期待してアルコールで腕や首筋、脚を拭いたけど、いますぐシャワーを浴びたいくらい。せめて、着替えをしたい…コインランドリーでもあれば、「全裸なう」というのを実行してもいい…と考えつつ、なにげなく左前方の灯りを見ると…終夜営業のコインランドリー! これまでコインランドリーなんて1軒も見かけなかった。なのに、「全裸なう」してもいい、と考えたまさにその瞬間にあらわれるなんて、神懸かっている。これはなにかの神が、じゃあ全裸を披露してもらおうじゃないか、と思し召しているに違いない。

しまった、迂闊なことを誓うんじゃなかった。

ともあれ、店内に自転車ごと失礼しまーす。





せっかくだから、ジャージと反射ベストも、みんな丸ごと洗ってしまおう。ありゃ、乾燥機能付きは1回400円か。でも100円硬貨は3枚しか持ってないよ。両替機は…ないか。小銭を作るためだけに、さっきのコンビニまで戻るのは面倒すぎる。どうしよう、と店内を見回すと、大型マシンの陰に隠れてシンプルな洗濯機が。それは200円で、大型マシンは乾燥機だけだと100円で使えるらしい。ちょうど300円! よかった! これもなにか神懸かっているw というわけで、腹を決めて全裸に…いや、それはさすがにヒトとしてどうかと思い留まる。妥協点として、まず上半身を全部脱ぎ、アルコールを手ぬぐいにつけてごしごしと清拭。新しいインナーを着たうえで、今度はレーパンを脱ぐ。腿のあたりを清拭して、これまた着替えの新しいレーパン装着。いいぐあいに置かれたベンチに横になり、洗濯が終わるまで、あらためて仮眠しよう。

全裸にはならなかったけど、これで神様は納得してくれるだろうか? 



どうも赦してはくれなかったらしい…
後半にはまた、たいへんなことが…

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