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レイ・カーツワイルの未来予測を支持するシンギュラリティ信者(笑)

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大坊珈琲店の自費出版本

大好きな大坊珈琲店の自費出版本ができたそうです。って、ほとんどの方はご存じないでしょうから、どんな店なのかご紹介します。

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表参道の交差点脇に、小さな雑居ビルがあります。狭い階段を上ると、そこが大坊珈琲店。246に面した細長い店内で、入口から奥に向かってカウンターが伸びていて、その奥と窓際に小さなテーブルがいくつか。カウンターは一枚の無垢板で、月日が経つにつれ手前が反り返ってしまっていますが、それもまた味わいがあり。

大学生の頃に初めて飲んで衝撃を受けました。世の中にはこんなコーヒーがあるのか。ごま塩頭の無口なご主人、大坊さんが淹れると、ほんとに奇跡のような味わいになるのです。早い時間帯には、その日使う豆を焙煎している姿を見ることもできました。岩波文庫やハヤカワのポケミスを読みながら、ロースターのハンドルをゆっくり回す姿。大坊という名前と相まって、修行僧のような佇まいでした。

最近は近くまで行くことが減り、残念なことに数年に一度の訪問になっています。しかし、30年近く経った今でも印象は全然変わりません。ほんとに修行のように禁欲的に珈琲を淹れ続けていらっしゃいました。親しく話すことなど一度もありませんが、勝手にコーヒーの師匠と仰いでいます。自分で淹れるコーヒーをなんとかあの味に近づけたくて、いつも試行錯誤を繰り返しています。

そんな大坊珈琲店が、今年末で閉店すると聞きました。あの小さな雑居ビルがついに再開発の対象になり、立ち退きになるそうです。とても立地のよい場所なので、しかたないのでしょう。閉店の噂を聞きつけた人たちが集まって、ボランティアで自費出版と言うことになったようです。そのうちのひとりがたまたま職場のかつてのスタッフで、私は彼女から今回の経緯を聞きました。閉店はほんとうに残念ですが、本のかたちで残るというのはせめてもの救いです。

その本がようやく完成し、今日から大坊珈琲店で発売されているそうです。また、麻布のギャラリー、さる山でも5日から並び(http://guillemets.net/blog/archives/1349 )、以後もう少し扱い店舗は増えるようです。

大坊珈琲店の最終営業日は12/22。新しい場所を探してほしいとも思いますが、すでに38年営業されてきたご主人にとって、新規開店はご負担になることでしょう。なかなか時間はとれませんが、最後にもう一度、あのコーヒーを味わいたいものです。

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1491 コロンブス発見によっていかに多くが失われたか

加速的に進化する世界と技術的特異点(シンギュラリティ)をテーマにした本ブログの趣旨とはやや方向がずれるものの、
先日たまたま手に取った本が偶然にも『ポスト・ヒューマン誕生』の編集者氏が担当された書籍と言うことで、簡単に読書メモなど。

1491―先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見
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コロンブスが到達する以前のアメリカ大陸は「少数の未開人が暮らす手つかずの大地」というのが一般的なイメージだが、そうした“常識”を覆す内容。

メイフラワー号が上陸した東海岸一帯では、先住民が作付け面積あたりでヨーロッパを凌ぐ穀物収穫を上げており、1日の平均摂取カロリーは2500kcalに達していたという。栄養面でもバランスがよい食事を摂っていたこともあり、ヨーロッパ人よりも身長が高かった。また、常に清潔な身なりに気を配っており、衣装は非常にシンプル(鹿革の腰布と脚絆を身につけ、モカシンを履く程度)ながら、清教徒たちには美しく、堂々として見えた。

一方、当時のヨーロッパ人は、慢性的な栄養不足による発育不良や伝染病で皮膚病を煩う者も多く、みすぼらしい身なりだった。また、そもそも風呂に入るという習慣がなかったため、先住民には「とにかく臭くてたまらない」といやがられたという。

ピサロがたった168人で滅ぼしてしまったインカ帝国は、当時世界最大の国家だった。彼らが簡単に滅亡したのは「『鉄』と『馬』が彼の地になかったから」とされるが、実際には銃器に対しても、そして騎馬隊に対しても直ちに対抗手段が編み出されており、それらがインカの軍隊を圧することにはならなかったという。

むしろアメリカ大陸の人々が屈したのは、コロンブスが到達して以来、ヨーロッパ人が家畜とともに持ち込んだ動物原性感染症だった、というのが本書の白眉のひとつだ。ヨーロッパでは家畜とともに暮らすことが一般化しており、動物由来の感染症に免疫ができていた。一方、家畜といえばリャマやアルパカ、イヌ程度しかもたないアメリカ先住民にとって、天然痘(牛痘)やはしか(牛疫)、インフルエンザ(鳥インフルエンザ)は致命的だった。病原菌はヨーロッパ人が内陸に足を踏み入れるより早く、現地の整備された交通網によって、感染症の知識のない現地の人たちの往来を通して、猛烈な勢いで拡散したことが多面的に検証される。

コロンブス以前の南米・中米・北米トータルの全人口は、諸説あるものの、9000万~1億2千万人と推計される。'99年の調査で、国連では16世紀の世界人口を5億人としている。当時の地球上でもっとも人口密度が高く、飢餓がほぼ一掃された、きわめて豊かな大陸だったわけだ。

それが、コロンブス到来以降波状で広まる伝染病により、人口の95%前後(!!)が失われたという。それも数十年の間に。

現在の日本とほぼ同じだけの人間が死に絶えたわけで、これはナチスによるホロコーストや、ポル・ポト政権時代の虐殺も、遠く及ばない。毛沢東による中国共産党時代の大飢饉ですら凌ぐ、「人類史上最大規模の大量死」だ。

本書には記されていないが、金鉱の地下採掘において現地住民数十万単位で使役、絶滅に追いやった史実もある。奴隷使役についてはもちろん、伝染病拡散についても当時のヨーロッパ人はなかば自覚的に行っているという点で、これは

【史上最悪のジェノサイド】

といって差し支えないだろう。

あまりにその規模が大きく、徹底していたため、かえってその深刻さが後世に伝わらなかったことになる。

ほかにも、よくいわれる「アメリカ大陸の先住民はアリューシャン列島と氷河の回廊を歩いて渡ってきた」という仮説には誤りがあり、むしろそれよりもはるかに時間をさかのぼり、数万年前(氷河期初期)にはすでに生活の痕跡が残っていたことが示される。

また、トウモロコシは「当時のアメリカ大陸人がほとんど遺伝子操作に近いレベルで生み出した奇跡の食物だった」ことも検証されており、興味は尽きない。

こうした諸文明が現在まで続いていたなら、いまの世界はまったく違ったものになっていただろう。

失われたものの豊かさと、そのあまりの大きさに、言葉を失ってしまう。

デジタルマガジン関連メモ

アメリカの出版業界のデジタル方面動向に関するセミナーが昨夜、某所であった。
忘れないようにメモ。

・デジタル版の読者は紙の読者に比べ、雑誌ブランドとのつながりがより強固。広告への反応も高く、早い。

・メディアが勧める商品の購入意向も高い。
 →コマースへのつなぎ込みが必要

・デジタル版の読者の定期購読更新率は、プリント版に比べ5倍。

・オリジナルのウェブ雑誌で成功しているのはワシントンポストの「Slate」程度?それもまだ大きな収益とはなっていない。

・wiredのクリス・アンダーソン曰く、デジタル媒体に求められるのは、雑誌や新聞のような情報鮮度よりも読者同士、著者-読者間のインタラクション。コンテントを得たいためにWebを訪れるのではなく、Webが生み出したコミュニティに加わって閲覧者同士コンタクトしたいため。
→Webサイトへのトラフィックの半数は、「掲載後36時間以降」。なるほど。

・ほとんどの版元は自らのアーカイブの価値に気づいていない。自社のコンテントを解放し、障壁をはずして自由にアプローチできるようにすべき。
→一方で、単にコンテントをアーカイブ化するだけでは意味がないとの見方も。

・デジタル雑誌にとって必要なのは良質なコンテントのほか、
 →ブログ(外部ブログも送客上不可欠)
 →コミュニティ
 →SNS
 →ディレクトリ(関連リンク集ということ?)
 →ツールキット(具体例?)
 →プラクティカルサービス(?)

・中途半端はNG。Web事業に正対して取り組むか、Web事業から撤退するかを選択すべき。
→後者の選択はありえないでしょう

・編集者の役割は5年前と比べて大きく変化。
 現在は、
 ブロガーであり、
 ディールメーカーであり、
 ネットワーカー、
 ブランドマネジャー、
 そして、
 コンシューマーやパートナーとコミュニケートするスポークスパーソンに。

とにかくプリント媒体のマルチプラットフォーム化は必須。また、読者参加型でないと、というのがアメリカの業界が得た知見ということのよう。これはその通りだと思う。ブランド構築が比較的容易に行えるのは他業界よりも出版社に強みがあるだろう。
一方で、その神通力が通用するのも(とくに粗製濫造の日本では)時間の問題と思われる。早く対応していかなければ。

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