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ドバイのメガプロジェクト群

アラブ首長国連邦のインフラ投資というのはまったく想像を絶するスケールだ。原油価格が高騰しているうちに、原油枯渇後の飯のタネとして世界に誇れる観光資源を作っておこうということらしいが、それにしてもメガプロジェクトの数と規模は半端ではない。

有名どころでは、完成時の高さを公表していない(追随するプランが出てきたらさらに高くする勢いの)超超高層ビル=ブルジュ・ドバイや、
すでに作られているものではこれだろう。
Burj Al Arab
Burj Al Arab


そして、「パームアイランド」。人工の砂浜を多数造成するにあたり、できるだけ総延長が長い方がいいじゃないか、どうせならパームツリーのかたちにしようよ、ということらしいが、その規模たるや度肝を抜く。

画像は完成予想図だが、このThe Palm Jumeirahはほぼ造成が終わっている(パームというより、私にはStar Trekのエンタープライズ号--D型以降--の俯瞰図に見えるけれど)
palm-jumeirah.jpg

そして驚くのは、人工島はこの1つだけでなく、合計で3つつくられているということだ(3部作=Trilogyと呼んでいるらしい)。しかも残る2つ、The Palm Jebel Aliと同Deiraは、初号島であるJumeirahよりはるかに広大だ。

The Palm-Trilogy

しかも、上のThe Palm Trilogyサイトにある通り、JumeiraとDeiraの中間には、世界地図を模した(!)人工島群、その名も「The World」が作られつつある。そしてThe Worldにある島の一つ一つは"別荘島"として、すでに分譲中だそうだ。
the_world.jpg

(たびたびで恐縮だが、SF好きにこのThe Worldはラリー・ニーヴンの「リングワールド」大海洋にある「地球の“実物大地図”」の実写版に見えてしまう)

さらにさらに、The Palm Jumeiraは比較的シンプルな人工島である(ほんとうか?)のに対し、The Palm Deiraはなんと!内海にあたる部分にアラビア語の文字をかたどった島が浮かび、すべてを読み合わせると1つの詩になるのだという。

http://www.eikongraphia.com/?p=835
220PTW1.jpg

dubaire0_impressie.jpg

もうご自由にどうぞ、といいたくなるが、この着想はすばらしい!

そんなメガプロジェクトがそれこそ数え切れないくらいに同時進行しているため、ドバイではもはや、ありきたりな斬新さでは誰も驚かなくなっているのではないだろうか。

下のような、各フロアが独自に回転して風力発電を行うというプロジェクトもあるようだが、残念ながらもはや「ふーん、それで?」という感想しか出てこない。短工期で建設でき、売電できるくらいの優秀な建築計画らしいのだが。

The first World Dynamic Architecture


各フロアが個別に風の力を受けて独自に回転し、発電を行うという。
屋上からゴンドラを吊して外壁の清掃、というのはできそうにありませんが、、
appartment-floor_Page_21.jpg

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1491 コロンブス発見によっていかに多くが失われたか

加速的に進化する世界と技術的特異点(シンギュラリティ)をテーマにした本ブログの趣旨とはやや方向がずれるものの、
先日たまたま手に取った本が偶然にも『ポスト・ヒューマン誕生』の編集者氏が担当された書籍と言うことで、簡単に読書メモなど。

1491―先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見
51kW1ystrQL_SL500_AA300_.jpg

コロンブスが到達する以前のアメリカ大陸は「少数の未開人が暮らす手つかずの大地」というのが一般的なイメージだが、そうした“常識”を覆す内容。

メイフラワー号が上陸した東海岸一帯では、先住民が作付け面積あたりでヨーロッパを凌ぐ穀物収穫を上げており、1日の平均摂取カロリーは2500kcalに達していたという。栄養面でもバランスがよい食事を摂っていたこともあり、ヨーロッパ人よりも身長が高かった。また、常に清潔な身なりに気を配っており、衣装は非常にシンプル(鹿革の腰布と脚絆を身につけ、モカシンを履く程度)ながら、清教徒たちには美しく、堂々として見えた。

一方、当時のヨーロッパ人は、慢性的な栄養不足による発育不良や伝染病で皮膚病を煩う者も多く、みすぼらしい身なりだった。また、そもそも風呂に入るという習慣がなかったため、先住民には「とにかく臭くてたまらない」といやがられたという。

ピサロがたった168人で滅ぼしてしまったインカ帝国は、当時世界最大の国家だった。彼らが簡単に滅亡したのは「『鉄』と『馬』が彼の地になかったから」とされるが、実際には銃器に対しても、そして騎馬隊に対しても直ちに対抗手段が編み出されており、それらがインカの軍隊を圧することにはならなかったという。

むしろアメリカ大陸の人々が屈したのは、コロンブスが到達して以来、ヨーロッパ人が家畜とともに持ち込んだ動物原性感染症だった、というのが本書の白眉のひとつだ。ヨーロッパでは家畜とともに暮らすことが一般化しており、動物由来の感染症に免疫ができていた。一方、家畜といえばリャマやアルパカ、イヌ程度しかもたないアメリカ先住民にとって、天然痘(牛痘)やはしか(牛疫)、インフルエンザ(鳥インフルエンザ)は致命的だった。病原菌はヨーロッパ人が内陸に足を踏み入れるより早く、現地の整備された交通網によって、感染症の知識のない現地の人たちの往来を通して、猛烈な勢いで拡散したことが多面的に検証される。

コロンブス以前の南米・中米・北米トータルの全人口は、諸説あるものの、9000万~1億2千万人と推計される。'99年の調査で、国連では16世紀の世界人口を5億人としている。当時の地球上でもっとも人口密度が高く、飢餓がほぼ一掃された、きわめて豊かな大陸だったわけだ。

それが、コロンブス到来以降波状で広まる伝染病により、人口の95%前後(!!)が失われたという。それも数十年の間に。

現在の日本とほぼ同じだけの人間が死に絶えたわけで、これはナチスによるホロコーストや、ポル・ポト政権時代の虐殺も、遠く及ばない。毛沢東による中国共産党時代の大飢饉ですら凌ぐ、「人類史上最大規模の大量死」だ。

本書には記されていないが、金鉱の地下採掘において現地住民数十万単位で使役、絶滅に追いやった史実もある。奴隷使役についてはもちろん、伝染病拡散についても当時のヨーロッパ人はなかば自覚的に行っているという点で、これは

【史上最悪のジェノサイド】

といって差し支えないだろう。

あまりにその規模が大きく、徹底していたため、かえってその深刻さが後世に伝わらなかったことになる。

ほかにも、よくいわれる「アメリカ大陸の先住民はアリューシャン列島と氷河の回廊を歩いて渡ってきた」という仮説には誤りがあり、むしろそれよりもはるかに時間をさかのぼり、数万年前(氷河期初期)にはすでに生活の痕跡が残っていたことが示される。

また、トウモロコシは「当時のアメリカ大陸人がほとんど遺伝子操作に近いレベルで生み出した奇跡の食物だった」ことも検証されており、興味は尽きない。

こうした諸文明が現在まで続いていたなら、いまの世界はまったく違ったものになっていただろう。

失われたものの豊かさと、そのあまりの大きさに、言葉を失ってしまう。
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