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BRM929近畿600km 紀伊半島一周その3(~ゴール)

洗濯中にうとうとし、止まったら洗濯物を乾燥機に入れ替え。いろいろ逆算すると1時間30分は滞在していたので、1時間と少し、仮眠をとった勘定だろうか。もちろん風呂にも入れないし寝不足だしでパフォーマンスは悪いけど、ほんの少し持ち直したので再スタート。20km弱を進み、2:45に385km地点のPC4、ファミリーマート志摩磯部店に到着。先ほどのファミマから、正確には11.1kmしか離れていない。なのに2時間ちょうどかかっていてがっくり。ちゃんと寝た!というさっぱり感が全然ないのに、時間だけが過ぎている。

ここで1つだけ、うれしいことが。これまで往路のルートファイルが役に立たずGPSも意味がなかったのが、後半のルートファイルがカバーする地点まで来ることができた。後半のファイルはデータとしては正常なので、ようやくルートを表示できるようになった次第。これでコースミスは激減するはず…!

お客は私だけ、店員はひとりという淋しいファミマをあとにして、次はやたらに近い、9.8km先の通過チェックとなるサークルKへ。20分ちょっとで到着すると、見知った顔が…私よりも後からスタートしたガクさんたち。ガクさんはまんぺいさん(@manpei01)とずっと走ってきたそうで、私ははじめまして。

手早く補給をし、入れ違いに出発されたお二人を追いかける。400km地点を通過し、さらに数キロ走り、鳥羽水族館のあたりでキャッチアップ。しばらくご一緒することに。

伊勢市に入り、417km地点で伊勢神宮の外宮前を通過。このあたりでなんとなくの流れで私が先頭に。でも、再び眠気がぶり返してきて、気づくともう、極端にスピードが落ちている。うとうとと半ば眠りながら、20km/h程度で進む(危険すぎるので絶対に意識的にはやってないつもりだけど、どうも私は居眠り運転でもまっすぐに走れるようです)。おふたりともスタミナがあり余っているらしいのにペースを合わせてくれて、ほんとうに申しわけない。

ほんの少し雨がぱらつく中、439.6km、PC5 サークルK勢和多気店に到着。買い物をして出てくると雨は止んでおり、東の空がバラ色に染まっていた。居眠り走行していたからなんだけど、今回はPC間の平均時速はわずか18km/h…。そして、残りは187km。このペースが続くと、帰りはやはり15時過ぎか。そうすると、台風の直撃は避けられても、豪雨には巻き込まれるだろう。またもモチベーションが落ちている。ぐずぐずと補給し、軽量化している間にお二人は先に出発され、再びひとり旅。

軽いアップダウンを繰り返したあと、ここから本ブルベのメインディッシュ、高見トンネルまでの上り。標高は633mしかないので本来の難易度は低い…はず。でも、7月頃どころか、去年の今頃よりも断然弱くなっている。再びぽつぽつと降ってくる中、情けないペースで少しずつ上っていく。

トンネルよりもずっと手前、先ほどのPCから20kmあたりで道の駅飯高で有人チェック。お、と足を止めると、先行したはずのガクさんもいらした。スタッフの方から、「たぶんおふたりは嵐に遭わずに帰れるだろうけど、早めに峠は越えるように」との注意をいただく。またも焦ってしまう。峠や台風のことばかり気にして、無情にもペースが若干落ち気味のガクさんをほったらかしにして、ひとりで先行。

ここから先は本当に余裕なし。斜度も一貫して6%程度なのに、全然思った通りのスピードが出ない。ゆっくり、じわじわ。息荒く進行方向に目を向けると、見上げるほど高い場所にループ橋。そうか、あんなところまで上るのね…一漕ぎ一漕ぎ意識しながら延々と。なさけない、これしきでこんなに苦労するとは。這うようにして、ようやくてっぺんの高見トンネル入口に到着。490.5km、標高633m。

さ、あとは下り基調! と思いきや、長いトンネル内も中間地点までは上りが続く。トンネル内の気温差からか、なま温かい風が正面から吹き下ろしてくるのもつらい。最後のカラ元気でクリアすると、ようやく下り。もう、ずっと下り。せっかく積み上げた位置エネルギーを使い、十数キロkm連続の下り。トンネルを出て次の左折ポイントまでの10kmは、時速50km/hに近い。その先は旧伊勢街道というのか、明治大正の町並みが残る通り。杉林の川べりを快適に下り、吉野川沿いをゆるやかにアップダウン。

以降の区間は市街地の裏通りの雰囲気で、あまり印象がない。しかし、信号待ちで停車すると、途端に雨が腕や顔に降りかかる。低気圧の前線から逃げるように40kmを走り、奈良県五條市のPC6、サークルK五条病院前店に到着。543.2km地点。ここも有人チェックで、スタッフに確認のサインをいただく。いただくうちに、雨がついに本降りになる。あれま。追いつかれたか…。そこで急げばよかったのに、さらに補給に時間をかけてしまい、強くなった雨脚のなかを覚悟して出発する。ゴールまではあと69km。

事前の予想では、三重の海岸から奈良方面へ西進する際、常に強い追い風で背中を押されて楽できるはずだった。でも実際はそんなことはならず。それがここに来て、つまり奈良から和歌山の県境を過ぎ、吉野川が紀ノ川に呼び名が変わったあたりから、少し追い風気味になってきた。貧脚なりに巡航速度はらくに時速32~35km。先ほどのPCで、雨に備えてビニール袋でソックスとシューズを二重にくるみ、ビニールテープで密閉してきた。なので靴への浸水を気にすることなく水たまりを突っ切っれる。対向車が盛大に水しぶきを上げても、もはや気にならない。調子に乗って飛ばしていると、574km地点あたりでまんぺいさんに再び合流。ふたりで雨についてぼやきながら、ご一緒する。

589.4km地点、最後の通過チェック地点のローソン和歌山大垣内店。結構な距離を大雨に降られ続けたため、ふたりとも上から下までずぶ濡れになっている。靴への浸水対策も効果がなくなってしまった。停車すると、打ちつける雨に体温が奪われ、がくがくと震えてしまう。そんなわけで、まんぺいさんには「買うのはブラックサンダー程度にしましょう」と声を掛け、滞在時間わずか数十秒で、ただちに出発。残り22.8km。時間にすると到着まで1時間くらいか。しかし敷地を出た途端、これまでの大雨が霧雨程度に思えるほどの豪雨になる。文字通り、叩きつける勢い。時間は正午前。台風本体は上陸していなくても、ついに先がけの暴風雨圏内に入ってしまったらしい。

こんな時間に外を歩いている人はもちろん皆無。クルマの往来も台風を避け、激減している。往路で間違って2回通った因縁の川辺橋をもう一度渡り、北岸へ。土手で信号待ちしていると暴風で体温が奪われ、自転車もなぎ倒されそう。SPDのクリートなので足をつくと滑る程度だが、ロード用のクリートなら足元をすくわれて、立っていられないだろう。

車道走行では飛ばされると命にかかわるので、しかたなく幅広の歩道を走行。裏通りに出て、雄の山峠までの登坂区間に入る。余談ながら、信号のない峠区間を除き、最後のPCからひとつひとつの信号にことごとくひっかかってしまった。待ち時間も通常より長く感じられた。単に暴風のためペースが落ちていたからなんだろうけど、それこそ、なにかの悪意を感じるくらい。

そうして最後のヤマ場、雄の山峠。標高差にして200弱に過ぎないけれど、往路で懸念したとおりの激坂区間。加えて、上から吹き下ろしてくる暴風。唯一の救いは、台風の影響で昨日ほどクルマの往来がないことだろうか。瞬間的に突風がたたきつけてくるため、左の路肩から反対車線の路肩まで、吹っ飛ぶように押し流される。そうならないように、左端へ左端へと、死ぬ思いでペダルを踏みつける。ちなみに、左側イコール谷側。これだけ出力を上げていると、突然風がやんだら、勢いでガケから転落しかねない。心拍ベルトは外していたが、間違いなく、ここ2年ほどで最高値の心拍数だったと思う。自分のへたれっぷりに暗然としながら、ペースを合わせて上ってくれるまんぺいさんについて行く。

ようやく峠を登り切り、クランクを猛回転させながら坂を下る。これはスピードに乗るためではなく、せめてジャイロ効果で車体が安定しないかと期待してのこと。

しばらく阪和線沿いに走り、604km地点、JR和泉鳥取駅付近で大阪湾方面に転進。平地に下りて来ると、ますます風が激しい。まんぺいさんに注意を促され、顔を上げると、頭上の四畳半ほどの巨大標識がぶわあっ…と舞い上がっている。街路樹だけでなく、信号柱もぐわんぐわんと揺れている。こんな状況で走っているなんて、どうかしている。そばをかすめるクルマから、あきれかえった視線が飛んでくる。

アタマがおかしいって? わかってるよ! これでも急いで帰ってる途中なんだから!ヽ(`Д´)ノ

南海本線をくぐり、左手に海が見えてくる。りんくうタウンに続く海岸沿いの道に入る。流水に覆われてGPSの画面はほとんど見えなくなっているけど、残りあと4km。これまでと違い、もはや風を遮るものは路肩の細い手すりしかない。暴風雨はもう、筆舌に尽くしがたいレベル。ラピュタにたとえると、ついに龍の巣に突っ込んだところだ。先ほどから大通りを走っていたけれど、もはや車道走行は完全に論外。ふたたび歩道に避難している。まっすぐには走れず、横に飛ばされた際のマージンも考え、思いっきり左寄り。そして顎を上げ、真正面を見据えている。ちょっとでも顔を下に向けると、アイウェアの隙間から雨粒が目に突き刺さってくる。なのでヘタに下を向くことができない。

さらにたいへんなのは、水路をまたぐ橋の上。地面から離れているぶん、さらに風が荒れ狂っている。とうとう自転車から下りざるを得なくなった。ツルツル滑るタイル舗装の上を、クリート付きのシューズで押し歩く。ときおり、衝撃波のように突風が叩きつける。カメハメ波を受けたみたいに、ずざざっ、と後ろに滑るように飛ばされる。あるいは、比較的路面のグリップが効いているところでは、自転車が風に持って行かれて水平に浮き上がる。水平に持ち上げた自転車を、見えない誰かと取り合っているようだ。自分自身が飛ばされないよう注意しつつ、力を込めて地面に押し戻す。

この20km区間はまちがいなく、自分が経験した(天候面における)ワーストブルベだろう。ただ、妙な昂揚も感じている。気がつくとずっと笑っている。あきれかえって脱力した苦笑いだ。

これはいい話のネタになる。おいしい。おいしすぎる。

……こんな調子だから、ヘンタイと後ろ指をさされるのだろうか。

なんとかスタート地点だったりんくう公園を通過する。ゴール地点はりんくう公園の少し先、駐車場併設の温室だ。海べりを離れ、1ブロックだけ市街地に入る。少し風は和らぎ、ようやく人心地がつく。

そして、そのままゴール。

所要時間30時間56分。キューシート上の距離は612.2km、サイクルコンピュータの距離は627km。

急いだ割には、ミスコースだので時間がかかてしまった。そして、龍の巣のなか、風雨のピーク時に帰ってきてしまったらしい…

温室でスタッフのみなさんにラーメンやコーヒーを振る舞っていただき、やっと弛緩できた。夜には風雨は収まるだろうから、あと数時間もすれば飛行機でらくちんに帰れるだろう。

念のため、天気アプリで確認すると…

あれ…「本日17時以降は全便欠航」… なんだってぇ!?

しかも、関西空港への連絡橋まで封鎖されてしまっている… 和歌山市の実家まで帰ろうにも、阪和線が和歌山の手前で折り返し運転。しかたなくひとり暮らしの母親に状況を報告して、この付近のホテルをとることにした。すると、りんくうタウン界隈のホテルは飛行機欠航の影響か、すべて満室…

ああ、明日は休むかも、と会社に伝えておいてよかった。結局スタッフの村上さんのご紹介で、泉佐野のホテルを予約でき、ことなきを得た。雨が弱くなるまで脱力したままゴール受付で3時間過ごし、台風が通過した街を自転車で移動した。

このホテルは客室持ち込みはできないため、持ち歩いていたボロタオルで車体を拭いて輪行袋へ。ここで驚いたことに、普段雨中走行をすると真っ黒になるリムがピカピカ光っている。あの突風と豪雨で汚れが全部洗い流されたらしい。高圧洗車、というか低気圧洗車(by ガクさん)というか…

投宿後、880円と値段の割には豪華な夕飯。アルコールは控えたのに、部屋に戻るとあっという間に朝まで寝落ち。新たに飛行機を予約し直し、無事に羽田まで戻ってきた。



880円。イカのお造りはさすがにオプション。


関空までの海は心なしかコーラルブルー風。


やれやれ、またもたいへんなブルベに出てしまった…

ご参加のみなさん、スタッフの皆さん、おつかれさまでした。そして、ありがとうございました。
また、いずれどこかのブルベで!



【ここでお詫びと訂正】

実は完走直後のツイートで、「SR×5回分走った」と書きました。しかし実際は、クインティプルSRには400が1本分足りない…なのでクアドラプルSRに過ぎません。本来ならBRM1006青葉600km関東一周もエントリーしているので、これに出て完走すればほんとに5回なんですが、家庭の事情でDNS…。
ということです。ごめんなさい。
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BRM929近畿600km 紀伊半島一周 その2(〜380km)

行程上はまだ30分の1。序盤とも云えない序盤のトラブルで意気消沈してしまった。たぶん三船さんや落合さんにあっという間に抜かれるだろうし、台風を避けるためにも急いで来ていたのに、気づけば早くも最後尾になっている(たぶん)。モチベーションはダダ下がり。かといって近畿まで遠征してきて早々にDNF、というのもありえない。

そんなわけで、気を取り直しマイペースで進む。和歌山市から海南、有田、御坊と南下。海南のコンビナート地帯を抜けると、トラックも減り、徐々にのんびりした景色になってくる。今回、サドルバッグにはガクさん(@gak_t12)からいただいたTwitterアカウント付き名札をつけている。すると、御坊の市街地あたりだったかな?信号で一緒になった方から声を掛けていただく。ひらまつさん(@hiramatsuuuu)と仰る方。私のアイコンを知っているとのことで、恐縮する。ブルベ中は名前も知らない間柄で終わりがち。でも、こうしてアカウントを通じてお顔と名前が一致して、互いに知り合えるのは楽しい。ガクさんの名札に感謝。

ひらまつさんが撮影なさった走行動画に,少しだけ私も写っていました.。4:10あたりから。
http://youtu.be/V5Ek--QWSXE


それからさらに南下して11:50に119.7km地点、田辺市のPC1のローソン田辺元町中之谷店に到着。コマ図を見ると、少し先にラーメンの「天下一品」があるようだ。台風のせいで名物堪能は諦めていたけど、せめて好物の天一くらいは食べていきたい。ローソンでポカリスエット900ccと大福だけ求め、ただちに出発。天一前に着くと、ちょうど別のランドヌールが入ろうとするところ。




カウンターに並んで掛ける。同じく和歌山県出身で、新宮がご実家ののいずさん(@oyavin44 )。途中自宅に立ち寄ってシャワーを浴びる予定だそう。私もブルベで最大の元気の素はシャワーなので、とてもうらやましい。おたがいがんばりましょう、と出発。

のいずさんによるとここから先、すさみのあたりまでは小さなピークが20個ほど続き、かなり堪えるらしい。情報をもとに身構えていくけど、やっぱりきつい。上っては下り、上っては下り。新しい上りがあらわれ、終わることがない。1個あたりはせいぜい標高50m程度のが無数にある。最近ほとんど自転車に乗れていないこともあって、消耗が著しい。

3時間ほど苦行を繰り返し、15:05頃ようやく串本のPC2、ローソン串本町串本店(194.3km)に到着。ここまで来たのだから、もう少し脚を伸ばして本州最南端の潮岬まで…行きたいけど行けないよね、台風が迫っているし、そんな余裕はない。そんなわけで、PC2を出てすぐに見えてきた橋杭岩でだけ少し停車し、記念撮影。ここに来るのは小学校以来。なんだか記憶よりもこぢんまりとしている。やはりそれなりに自分が成長したからかな?








さて、ここからは進路を転じて徐々に北上。太地のクジラ博物館を横目に通過し、那智の滝や青岸渡寺など、高野山と並んで大好きなスポットに立ち寄ることもなく過ぎていく。ああ、もったいない。さらに、速玉大社まで敷地横を走りながら、完全スルー。昨年のフレッシュ九州でも、高千穂峡のすぐ脇を通ったのにあの景色を見ることができず、とても悔しい思いをした。ブルベで観光地を諦めるのはもはや仕様と諦めるしかないのだろう。

約240kmで新熊野大橋を渡り、和歌山から三重県に。このあたりはまったくのはじめて。「紀南」という地名に、違和感がある。私の間隔では、三重はあくまで愛知と同じ中部地方。紀州の「紀」の字を使っていると、なんとなく和歌山の延長にいる気がする。「南勢」ならしっくり来るんだけど。

261km、熊野市の市街に入り、裏通りを抜け木本トンネルにのぼっていく。一方通行の一車線車道と、やけに段差の高い歩道とだけが走る細い隧道だ。国道の鬼が城トンネルが自転車通行不可のため、ここだけこちらを迂回路として通る。この数キロを除けば、海南市から延々200km以上、国道42号を走ってきている。ほどなく復帰して、再び42号で佐田坂へ。

すでに日が暮れてしまい、ナイトライドになっている。コマ図を見るにはヘッドランプが必須なのに、自慢のZEBRA LIGHTが点灯せず、焦る。今回、CR123Aの手持ちを使い切ったため、同サイズのリチウムイオン充電池を初めてもってきている。どうやら相性が悪かったらしい。なぜ、試験点灯して来なかったのだろう。GPSのルートの件といい、手抜かりが多すぎる。結局、ハンドルにぶら下げている中華ライトのうち1つを外して背中ポケットに入れておき、コマ図を見るときに手で照らすという、なんともなアレな手段になってしまった。面倒でコマ図確認の頻度が激減するから、またミスコースの元になるんだけど…

そんなわけで、無精をしていて、いまいる佐田坂がどこまで上るのかがわからない。かといって坂でコマ図を照らすのも億劫で、そのままえっちら。なぜか標高170mと記憶していたけれど、明らかにそれ以上、上っている。170m程度でこれだけ負荷が高いと、このあとたしか標高400mの峠が待っているのに耐えられないのでは。脚の鈍りっぷりに落ち込んでいると、実はその佐田坂が400mの序盤だったことに気づき、少し安心。

斜度が緩やかになり、気持ちにも余裕が戻ってきた。そのため、見えてきた道の駅「熊野きのくに」で補給ストップ。距離は270kmくらい。温かい食べ物を期待したけど、19時閉店だから…とのこと。壁の時計を見ると、すでに18:52。しかたなくパウンドケーキとお茶を買い、店の女性たちに台風のことをたずねる。上陸は明日の15時くらいとTVでいってましたよ、とのこと。少し進行がゆっくりになったのかな。ホテルに入ったりしなければ、そのくらいの時間には着けるだろう。希望が見えてきた。

パウンドケーキを急いで腹に収め、大又トンネル、矢ノ川トンネルと長い2つのトンネルまで上る。合わせると3kmくらいだろうか。抜けると、一気にダウンヒル。クルマの往来が多かったけど、50km/h前後出ているので、煽られることもなく快適。290km地点の尾鷲市街まであっという間。その後いつものペースに落ちながらも小ピークをこなし、319km、PC3 道の駅「紀伊長島まんぼう」に到着。ここはスタッフのみなさんによる有人チェック。トイレに寄り、加水したエタノールで身体を拭くなど15分以上身繕いしてから、PCに。暗い敷地にそこだけキャンピングライトの点った東屋。銀マットが敷かれ、仮眠もできる案配。でも時間は21時過ぎなので、眠気はない。飲み物だけいただき、しばらく雑談してから、先行したランドヌールに続き出発。

先行する方の姿は、おおむね200m先。しかし、峠の途中で見失ってしまう。右折すると下りになるのに、気づかず道なりに登坂を続けてしまっていた。上っても上っても先が見えず、なんだかおかしい、とGPSを表示。いまだにルートは表示されないものの、この県道がまっすぐ北に向かっていることだけは画面からうかがえる。でも、向かうべきはほぼ真東方向だ。おかしい。コマ図では右折というほど右折らしい表示ではなかったので、途中で曲がるべきだったとの思考には至らない。確認のためにiPhoneでルートラボを表示しようとしたけれど、思った通りここは圏外。やはりさっきの分岐を曲がるしかなかったのか。半信半疑で下り、進んでみると、ほどなくコマ図通りの紀勢南島トンネルがあらわれた。コマ図のカスタマイズには凝ったけど、それは見た目の体裁だけで、ルート確認のほうはまったくしなかったものな…

今日何度目かの反省をしているうち、どんどん眠くなってくる。でも、仮眠できそうな場所なんてまったくないし… と思っていたら、屋根付き壁付きのバス停を発見。どうせすぐにからだが冷えて目が醒めるだろうけど、少し寝ていこう。中に自転車を引き入れ、ベンチにゴロリ。すぐに眠りに落ち、ほどなくクルマのアイドリング音で目が覚める。ひとけのない深夜にもかかわらず、道路の向かい側にクルマが停まっている。汗冷えにも耐えかねたので一度起き上がり、そちらに目をやると行ってしまった。ところがもう一度横たわると、今度は別の軽自動車が来て、やはり同様にアイドリングしている。なんだろう、2台立て続けに? 野菜の直売所でもあるのならわかる。しかし、そんなものがないことは確認済みだ。暗闇のなか横たわっている私をじっと観察しているようにも思える。なにか勘違いでもしているのだろうか? 2台目も立ち去らないので、なんだか気分が悪い。そろそろ出発しよう。身繕いをして自転車を出すとき、瞬間、ライトで運転席を直射してしまった。すると、胸にミニダックスらしきイヌを抱いた30代くらいの女性の姿が。LEDに照らされ、死ぬほど驚いた表情が浮かび上がった。いや、こっちだって驚くよ…なぜずっとこちらを見ていたんだろう。いや、見ていたわけではなく、別の用事があった? 横になっている間、その2台以外はたぶんクルマは通らなかったはず。結局、理由はわからずじまい。


※後日気がつきましたが、この2台のクルマのどちらか、あるいは両方とも、おそらくは疲労による幻覚だったようです。女性の姿も、ミニチュアダックスも、たぶん幻覚……


南伊勢町の350km地点くらいを過ぎ、少しの仮眠では疲れは取れない。そこから20km弱を頑張ると、久々にコンビニ(ファミリーマート)が見えてきた。五ケ所浦という地名らしい。次のPCまではあと20kmを切っているけど、ドリンクボトルが軽くなっているので、補給。蚊に喰われるのを追うこともできず、へたり込む。時刻は00:45。80km弱を3時間半ちょっと。明らかにペースが落ちている…これだけ遅くなると、またも投げやりな気持ちになってくる。

それにしても、汗のべたつきが気持ち悪くてしょうがない。ウエアに皮膚が触れるのがイヤで、ろくに身体も動かせない。普段さほど寒がりでもない私がブルベで悪寒に震えるのは、結局汗で気持ち悪い→鳥肌が立つ→逆フィードバックで寒気がする、ということらしい。妙に硬直したまま再出発したものの、かなり我慢の限界になっている。脱脂効果を期待してアルコールで腕や首筋、脚を拭いたけど、いますぐシャワーを浴びたいくらい。せめて、着替えをしたい…コインランドリーでもあれば、「全裸なう」というのを実行してもいい…と考えつつ、なにげなく左前方の灯りを見ると…終夜営業のコインランドリー! これまでコインランドリーなんて1軒も見かけなかった。なのに、「全裸なう」してもいい、と考えたまさにその瞬間にあらわれるなんて、神懸かっている。これはなにかの神が、じゃあ全裸を披露してもらおうじゃないか、と思し召しているに違いない。

しまった、迂闊なことを誓うんじゃなかった。

ともあれ、店内に自転車ごと失礼しまーす。





せっかくだから、ジャージと反射ベストも、みんな丸ごと洗ってしまおう。ありゃ、乾燥機能付きは1回400円か。でも100円硬貨は3枚しか持ってないよ。両替機は…ないか。小銭を作るためだけに、さっきのコンビニまで戻るのは面倒すぎる。どうしよう、と店内を見回すと、大型マシンの陰に隠れてシンプルな洗濯機が。それは200円で、大型マシンは乾燥機だけだと100円で使えるらしい。ちょうど300円! よかった! これもなにか神懸かっているw というわけで、腹を決めて全裸に…いや、それはさすがにヒトとしてどうかと思い留まる。妥協点として、まず上半身を全部脱ぎ、アルコールを手ぬぐいにつけてごしごしと清拭。新しいインナーを着たうえで、今度はレーパンを脱ぐ。腿のあたりを清拭して、これまた着替えの新しいレーパン装着。いいぐあいに置かれたベンチに横になり、洗濯が終わるまで、あらためて仮眠しよう。

全裸にはならなかったけど、これで神様は納得してくれるだろうか? 



どうも赦してはくれなかったらしい…
後半にはまた、たいへんなことが…

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BRM929近畿600km 紀伊半島一周その1(前日~22km地点)

BRM929近畿600km紀伊半島一周(前日~25km地点)

オダックス近畿殿のほぼ定番といえるこのコース。
房総半島一周(千葉400)、北海道一周(パラダイスウィーク)、四国一周(近畿1000km)など、一周系が大好物で、これもいちどは参加してみたかった。このところフトコロ事情がお寒いかぎりで、遠征するのは躊躇われたけれど、9月10月にエントリーしていたBRMを大量DNSして(関係者の皆さんごめんなさい)家族を説得。諦めかけていたけど、無事参加の運びに。


羽田から関空まで飛行機輪行。移動中はそれはもう、いい天気。


集合場所は関西空港から泉佐野側に渡ったりんくうタウンエリア。朝7時スタートのため、関東からはどうしても前日入りしておかなければならない。実は私の実家は和歌山市にあり、スタート地点までの交通手段を調べてみると、実家から幹線道経由でジャスト30km。これなら自転車で自走できそう。ブルベを始める前は自転車で実家〜りんくうタウンなんて想像の埒外だったけど、埼玉や青葉主催のブルベなど、そのくらいの距離はたまに自走したりもしている。全然OKじゃん。というわけで、当日は朝まだ暗い4:45に実家を出発。自転車でりんくうタウンまで。

和歌山城のお堀端を通り、紀ノ川を渡る。標高150m未満の孝子(きょうし)峠を超え、みさき公園前をかすめる。このあたり、子供の頃は遠足で来たんだよね。まさか中年になってこんなことをしているとは。感慨に浸りながら、6時少し前に集合地点に到着。思いのほか早く着いてしまい、出走受付は第一号。





スタッフ各位には、他地域のブルベでお見かけしたお顔もちらほら。そこそこ土地鑑はあるし、アウェイ感はあまり感じず。でも、一緒に走る人は誰も見知った顔が見あたらず…

今回は先週前半の好天予報から大きく崩れ、台風17号の直撃が予測されるという悪天候。早くゴールしないと、暴風雨のなかを走る羽目になる。ブリーフィングでも“早く帰ってくるか、途中でDNFすることをおすすめします”などと案内が。DNF推奨なんて聞いたことがなかったのでいささか萎縮してしまう。





そんなこんなで、7時頃に車検を受けて出発。今のところ雨の気配はなく、やや追い風気味で走行はなんの問題もない。

数キロは平坦な海岸沿いを走り、10kmあたりから徐々に山間部へ。付近の駅名も山中渓だったり。高校のころはヘタレ登山部員で、このあたりにザックを背負って練習に来てたなあ。当時このあたりの山のことを「紀泉アルプス」と称してたけど、正式名称だったのかしらん。標高200mの雄の山峠を通過。ここからの下りは斜度12%前後と急坂。しかも幅員が狭いのに自動車の往来が多く、帰りのことを考えては憂鬱になりながらダウンヒル。

そして勢いよく下るあまり、左折ポイントに気づかず本日最初のミスコース。先行して信号待ちしていた1番手と2番手の方に、頭をかきかき側方の別ルートから合流。

と、ここでトラブル発覚。愛用のEdge800は給電専用のケーブルを破損して長く経つため、バッテリー節約のため電源を落としたまま走っていた。さっきミスコースしたし、一度つけてみようか。…そうしたら、ルートが表示されない。あれ?なんで?GPXファイルはきちんと読み込まれている様子。AJ近畿公式のデータを入れたのに、原因不明。試しに、ルート後半が別ファイルになっていたのでこちらも表示させると…ああよかった。直ったみたい。なぜ突然直ったのか、これも原因不明だけど、まあ結果オーライと云うことで。

(実は全然直っていなかったことが、しばらくのちに判明)

ところが、20kmを過ぎて紀ノ川を渡り、JR布施屋駅脇の路地を過ぎたあたりでまたも異変が… 先行するお二人が確信に満ちた様子で走っていく。けれど、そっちはルートから外れてる!
曲がりくねった路地で、声を掛ける間もなく視界から消えてしまった。しかも、この路地は正規ルートから随分外れてしまってるし…。ともあれ、まずはルートに復帰しなければ。ほとんど行き当たりばったりで民家の裏道をかすめて走り、ようやく川縁の幹線道路へ。そして、またも大きな橋で紀ノ川を渡る…

もと和歌山市民として、ここでおかしいと気づくべきだった。紀ノ川はこんなところで分岐していない。なぜ2回渡る時点でなんのギモンも持たなかったのか。橋を渡り終えたところで、反対車線を反射ベストの自転車集団が走り去って行く。あれ?この地域で別のブルベが?と一瞬思ったけれど、自分がルートを逆走してきたんだと、ようやく気づいた。さっき渡ってきた橋、全然気がつかなかったけど…15分ほど前にも走ってた…orz

焦ってUターンし、猛然と前方の集団に追いつく。そして、気まずさをごまかすように猛スピードで挨拶しつつパス。なんで逆送なんかしてしまったんだろう。今度は間違えないようにしなければ。

先ほど通ったJR布施屋駅脇のルートを、GPSを確認しながら今度は左に折れる。今度は大丈夫。きちんとルート通り。前方の2人とは5km以上、時間にして15分は差がついてしまっているけど、急げばひょっとすると追いつくかも…

幹線道路に出て、一路東へ。ここでまたしゃかりきに3km以上漕いだところで、異変に気づく。…あれ?また紀ノ川が見えてきた…しかも、東に向かってる? 東ってなんだよ。紀伊半島を反時計回りに一周するんだから、まずは南下するはずなのに?

ここでようやく、原因に思い至る。さっきGPSのルートが正常に表示されたと喜んでいたけれど、それは勘違いだった。表なんらかの理由で往路ルートのファイルが壊れており、表示できたと思ったのは復路のファイルだった。東、つまり奈良の方向からゴールに戻る後半のファイルを前半のルートと勘違いして、それを逆方向辿ってきたというわけ。

ああ、やってしまった!

さっき間違って逆走していた時点で、すでにミスコース5km。そしていまは正規ルートから3.5km以上外れてしまった。戻って復帰すると往復なので7km。合計12km。スタートから22km地点なのに、すでに12kmもミスコースしてしまった…

もう、DNFして実家に帰ってしまいたくなるほどがっくり。
来たばかりの道を、悄然としながら辿り直して復帰。

結局前半、というよりPC4までの348km分のルートデータがない状態で走らなければならないことに。もっとも、以前こうした痛い目に遭っているため、自分なりにアレンジしたコマ図をフロントバッグに装着済み。なんとか走れるだろうけど、ルート上に占める自車位置が確認できないのはなにかと不安…

というわけで、そこから先はコマ図と首っ引きで走行することに。まあ、それが本来のブルベなんだろうけど…
スタートして22km地点で、いきなりピンチ。



明日の台風上陸までに、果たして無事に帰ってこれるのかっ!?



(つづく?)
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