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パイオニアのサイクルナビ「ポタナビ」はロングライドで使えるか? 3.実走編

以下の記事は、2012年時点でロングライド向けにポタナビを評価したものです。特殊な用途であることをご了承ください。


>>パイオニアのサイクルナビ「ポタナビ」はブルベ/ロングライドで使えるか? 1.ハードウェア編


>>パイオニアのサイクルナビ「ポタナビ」はブルベ/ロングライドで使えるか? 2.ソフトウェア編


>>パイオニアのサイクルナビ「ポタナビ」はブルベ/ロングライドで使えるか? 3.実走編




【実走編】

さて、実際に一定距離をポタナビに従い走ってみます。対象は、去る4/7実施の「Fleche Japon 2012」。

Fleche(フレッシュ)はフランス語で「矢」を意味し、「ナイスプレイス」と称されるゴール目指して、各チームがロングライドで矢のように集まってくるというもの。2012年フレッシュのナイスプレイス(=ゴール)は銚子・犬吠埼。我々のチームは奥多摩からスタートし、関東平野の外周部をぐるっと大きく時計回り。鹿島から太平洋側に出て外房を銚子まで走る、380km弱のルートです。

詳細については同じチームの隊長こと@atkamanoさんのブログをご参照ください。

AJ千葉主催Fleche Japon 2012レポート(チーム奥多摩一家)
http://d.hatena.ne.jp/akamano/20120407/p1



というわけで、スタート前日に奥多摩在住の自転車仲間、小金井ご夫妻邸に泊めていただくべく出発。

今回は「ポタナビ」とGARMIN EDGE 800に同一のルート情報を入れて対照実験しみようと思っていました。ところが…マヌケなことに、EDGE 800の方にルートデータを入れ忘れ。いきなり、おろしたてのポタナビだけで380km前後を走ることになりました。文字通り、ガチ走りです。
まあ4名チームなので、ひとりサイコンがなくても大丈夫といえば大丈夫だったのですが。

詳細ははしょって、いきなり使用感をば。

mcdonald.jpg


【×なところ】

・日付をまたぐとログが強制分割される

「サイクルラボ」に走行記録をアップロードしたところ、日付が変わったあたりでデータが分割されてしまいました。

route.png


徹夜走行すると、深夜0時でデータが強制的に2日分に分割されます。関東平野を380km回るので、一筆書きのルートデータを取るべく頑張ったのになあ。食事中も電源を落とさず、充電しながら使用したのに、無意味でした… まあ実用上は無問題だし、こんなことを気にするのは徹夜走行が多いランドヌール(ブルベライダー)くらいでしょうけど。

・トリッキーなユーザーインタフェース

たとえば、マップ画面から通常画面に切り替えます。

右側面の上下ボタンのいずれかを押し込み、一呼吸待つとディスプレイに切替画面一覧が表示されます。希望の画面番号が選択されているのを視認してから「アクション」ボタンを押し込むと、「Loading...」とメッセージが出て、ようやく目的の画面に。

ポタナビの切替時間: 20秒
EDGE 800の切替時間: 1秒

EDGEでは、ふつうにフリックだけで表示が切り替わります。ポタナビのこの仕様には辟易してしまい、結局ほぼ画面は切り替えずじまい。

・マップのスケール選択も厳しい!

GPSナビの常識的な表示は、

「通常走行時にはある程度のエリアが俯瞰できる縮尺を表示しておき、分岐ポイントで詳細な表示に切り替える」

といったものでしょう。自動でそうなればベストだけど、手動でも最低限、すぐに縮尺変更できるべきです。しかし、ポタナビではそれが一瞬ではできない! ポイントが近づいてきたら一度停車→スケールを変更して再出発→ポイント通過後また停車して元に戻す…といった作業が必要なのです。
(停車が必要な理由は後述)

今回はチーム走行しているので、ひとりだけ、そんなことのために停車できません。そのため、結局ずっと200m程度のスケール固定となりました。しかしそうすると、通常走行としては表示が細かすぎ、分岐ポイントまで四六時中画面に目をやることになります。「前方不注視」となり、危険なことこのうえなし。この点は、至急対策を望みたいところです。

【○なところ】

・外部給電しながら使える点

→まあ、当たり前のことですね(笑) しかし、初期ロットのEDGE 800では、これができないのです。内部配線を繋ぎ替えた、特殊なUSBケーブルが必要になります。最近のファームウェアでは問題なく給電できるらしいけど、日本語表示ができるのは最初期のVer.2.0.0のファームウェアだけ(個人輸入品に対する、EDGEの日本販売代理店の嫌がらせ)。なので変更できないというトラップがあるので…

・全行程きちんと測定できた点

→(何度も出てきて恐縮ですが)EDGE 800には連続走行300km~350kmあたりで異常終了する(ことがある)、致命的な不具合があります。そのあたりで、ログやルートデータ自体が表示できなくなるという由々しきもの。これは最新のファームウェアでも起きている事象で、世界のランドヌールたちから非難の的。

異常終了を気にせず走れるのは、地味にありがたいことなのです。

【その他】

・走行速度30km/hで操作できなくなる

画面をほとんど切り替えなかった、もう1つの理由がこれ。試行錯誤でわかったところでは、30km/h以上で移動中はボタン操作を受け付けなくなる模様。そんなこと、マニュアルに書いてあったかな…これ自体はメーカーの安全に対する見解なので、ダメなわけではないんだけど。

・他のデバイスとの距離カウントに乖離が

完走後、チームメンバーでそれぞれのサイコンの距離をくらべてみました。

376km … iPhoneのGPSログアプリ「MotionX」(端数表示なし)
377.5km … ルートラボ(走行前の計画値)
377.8km … ガーミン(最初から最後まで計測していたのは1台のみ)
385.2km …ポタナビ(本機)

ポタナビ以外は1km前後の差に収まっていますが、ポタナビだけが8kmほどもずれています。

迂回したり地図にない新道を通ったりしたので、事前のルートと単純比較はできません。でも、だからといってポタナビだけ乖離しすぎの理由にはなりまsねん。地図が原因というわけではなさそう。

好意的にとると、GPSの分解能が高くディテールが増えたといった理由で、長めに計測されたのかもしれません。
なので、ひょっとして、ひょっとするとポタナビの方が正確…なのかな?

●結論 ポタナビはブルベで“使える”?

まとめると、本機は細かいところで気になる点が多々あります。しかし、決定的にダメ、ともいえません。はじめてGPSつきのサイクルナビを買うのなら、ポタナビを選んでも…うーん、まあ、後悔はしない、かも?

ただしEDGE 800と比べてしまうと、あまりに厳しすぎます。もう、あらゆる面で差がありすぎ。前述のスタート/ストップボタンがない点や、UIの練り込み度、斜度・標高・気温などの表示がない点などなど。やはりGPSつきサイクルコンピューターとして伝統のあるGARMINには、一日の長ありと実感します。

しかし反面、ログを取ってみるとポタナビのGPS精度の高さが際立つ印象。幹線道路を往復すると、往路と復路ではそれぞれ道路の左端を走ったことがきちんとわかるし、信号を渡るため歩道に上がったようなときも、ログではきちんと識別できます。たぶん、まだ準天頂衛星「みちびき」からの情報は受け取っていないと思うけど、これが受波しはじめたらさらに詳細になるんじゃないかな。本機もぜひソフトウェアアップデートで対応して欲しい!って無理か。

…というわけで、現行のポタナビについては、ことブルベ使用に関するかぎり微妙、との判定です。まあ、そもそも用途としてはエクストリーム過ぎますからね。

●ポタナビのメインターゲットはどこにあるのか?

ここであらためて、この製品がどんな自転車ユーザーをターゲットにしているかを推論してみます。

厳しいことを言うと、本機のメインユーザーであるべきポタリング層(=ライトユーザー)は手を出さないでしょう。ポタリング用自転車は、おそらく数万円程度。自転車本体と価格的に差がないか、上回りさえする端末を買う人がいるのかどうか…

やはり購入層は、自転車機材にそこそこのコストを掛ける人たちでしょう。メインターゲットはこんなところ?


1.自転車の楽しさに目覚めたビギナー
 市場規模:およそ150~200万人?

ちょっと奮発してロードバイクやクロスバイクを買って、遠乗りの魅力に目覚めはじめたビギナー。これから街中のグルメスポットを巡ったり、川沿いのサイクリングロードを少し遠くまで走ってみたい!という人たち。地図を参照しながら走るにはちょうどいいはず。
まあ、この層もポタリング層と捉えればマーケットはあるでしょうね。。


2.休日にはトレーニングがてら遠出をするというホビーレーサー
 市場規模:およそ30~50万人?


休みの日には、単独または仲間とロングライド。1回あたりの距離は数十~100km。自宅から峠までのアプローチを把握しておきたい。そして、信号の多い幹線道を避けた裏道ルートも探りたい。そんな人たち。


3.輪行で自転車旅行を楽しむサイクリングツーリスト
 市場規模:およそ10万~20万人?


電車や自動車などの交通手段で遠隔地の観光スポットまで自転車を運び、のんびりと自分の脚で巡ってみたいという人たち。スタート地点から一筆書きで観光スポットを網羅するには、コース設定は欠かせない。


4.1回あたりの走行距離は200~600km(以上)のランドヌール
 市場規模:およそ1万人ほど?


無闇に何百kmも乗るロングライダー。公道を法規遵守しながら普通に走るだけなのに、距離が伸びればそこはもうエクストリームな非日常。装備に命を託せるだけの信頼度か?ストレスのない操作感か?が最大の選択ポイント。

上記のカテゴリは下になるほど市場規模が小さくなります。しかし、ニッチになればなるほど切実度はどんどん高まるわけです。サドルバッグやミラー、GPSなど、いいと評価されたアイテムの購入率は異様なほど高いので、この層向けに作るのもアリだと思うけどなあ…

とくにいちばんニッチな我々ロングライダーは、信頼できる機材にはかなりのコストを掛けても気にしない層。すでにGPS機能はお墨付きでしょうから、さらに精確な標高、斜度、温度計などがつき、感圧式のマルチタッチ&5~6インチの大型液晶、そこそこ速いCPUのついたサイコンをぶつけたら、3G回線なんぞなくても、10万円でも飛びつくだろうと思うのは、私だけでしょうか。

↓走行中もポタナビはランドヌールのみなさんから並々ならぬ注目を集めていましたし(via/@atkamano
potternavi.png

なんだかんだと書きましたが、このポタナビのあとに続くであろう製品群はほんとうに楽しみ。だって、カーナビでは最古参の日本メーカー、パイオニアが取り組むんですよ? マーケット・インに長けているのが日本メーカーの美点。

今回はマーケティングで失敗したようですが、我々のニーズを吸い上げて、あっという間に海外のライバルメーカーにキャッチアップしてくれるはず。おそらく次の製品あたりからは、いろいろな課題をきっちり潰して、物凄い製品を投入してくれることでしょう。

応援していますよ、パイオニアさん!

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